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エチレン 国産ナフサ連動価格が過渡期に
石化の基礎原料エチレンで、現行のナフサ価格を基準とする価格体系から、アジア市況と連動した価格体系へのシフトが予想されている。すでに一部のエチレン需要家がエチレンセンター会社に対し、次回の契約時からの変更を要請している。新たな価格指標として、FOB韓国などが取り沙汰されているもようだ。国内の石化コンビナートでは、エチレン需要の原料に対応した供給体制の再構築の動きが始まっているが、エチレンの価格体系がアジア市況連動となれれば、さらなる構造転換を促すことになりそうだ。
エチレン価格のアジア市況連動機運は、シェールガスの台頭など原料の軽質化により、石化基礎原料のなかでもエチレンの供給能力が突出して増大する結果、世界的にもエチレンの付加価値が低下していくとの見通しがあることが背景。
エチレンを購入して誘導品を生産している企業は、現行のナフサ連動の価格体系ではこうした世界的な需給変動が価格に反映されないことを懸念。売買契約の更新時期において、市況を反映した価格決定方式の導入を目指している。
一方、エチレンセンター会社にとってナフサ連動方式の価格決定はこれまで、収益の根幹を支える仕組みとして機能してきた。乱高下する原料の価格変動リスクを回避できるうえ、総コストを主産物で回収できるためだ。価格決定方式が市況連動にシフトした場合、期間ごとの収益変動が一段と激しくなるうえ、不況期に総コストを回収できなくなるリスクも高まる。
ただし、市況変動方式へのシフトは、大きな流れとして避けられないとみられている。石化製品の国内価格のうち、エチレン、プロピレンなどの基礎原料オレフィンや、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂製品などについてはナフサ連動方式が定着している。その一方で、ベンゼン、パラキシレンなどの芳香族製品や合繊原料など、貿易量の多い大型誘導品についてはすでにアジア価格など国際市況との連動方式に移行している。
日本の石化メーカーは現在、原料エチレンの競争力低下に対応するため、石化コンビナートの主産物をプロピレンやC4留分など、エチレン以外の製品に転換する構造改善に乗り出している。このためエチレン系製品は国内生産量が減少し、輸入量が増加していくことになる。輸入品が増えれば、価格も国際化するとみられるためだ。
国内でエチレン価格の国際化が進めば、石化メーカーの間にはエチレン生産規模を一段と縮小する意志が働く。この結果、主産物をエチレンから他の製品に転換するコンビナートの構造改革が加速することになりそうだ。