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2012年07月30日 前へ 前へ次へ 次へ

New Dow New Asia構想

 15年150億ドル、20年200億ドル売り上げに
 パット・ドーソン・アジア太平洋地域社長に聞

 ダウ・ケミカルは「New Dow,New Asia」と呼ぶ構想を打ち出し、アジア太平洋地域における事業の拡大に取り組んでいる。複数の事業の売却やローム・アンド・ハースの買収によってポートフォリオを大きく転換したダウが、この構想を通じて何を目指していくのか、パット・ドーソン・アジア太平洋地域社長に聞いた。

 -New Dow,New Asiaはどのような構想ですか。
 「ダウは発泡ポリスチレンを除くスチレン事業、マレーシアにおけるオプティマルグループの合弁会社の持ち株を手放し、ローム・アンド・ハースを買収した。こうした買収と売却、さらにタイにおけるパフォーマンス・プラスチックやパフォーマンス・マテリアルズの両部門の投資によって、コモディティ製品中心から機能性製品と特殊化学品を中心とする事業に転換し、より市場志向の強い化学企業になった。以前とはまったく異なるポートフォリオを持つ企業になったことからNew Dowという表現を選択した」
 「アジア太平洋地域のGDP成長率は今後10年間、米国や欧州といった成熟した市場の2倍になるだろう。成長を続けるアジア太平洋地域で事業を展開するうえで、新しいポートフォリオを持つダウのアイデンティティーとしてNew Dow,New Asiaを用いていくことにした」

 -実際、アジア太平洋地域の事業は成長を続けています。
 「2011年のアジア太平洋地域の売り上げは約105億ドルに達し、12年は110億ドルを上回る見通しだ。米国や西欧諸国はダウにとって重要な市場であるが、将来の成長にとってアジアや中南米、東欧といった新興市場における事業の拡大は欠かせない。新興市場の売り上げ比率は、09年は28%だったが、10年と11年は32〜33%となった。11年第4四半期だけをみると35%になっている。中国とインドは今後5年のうちに世界のGDPの40〜50%を占めるようになるといわれており、どの地域に成長を求めるのかを考えたときに、私たちは従来の考え方を変える必要があるだろう。たとえばパフォーマンス・マテリアルズやパフォーマンス・プラスチックといった事業を展開し、投資の成果をしっかりとあげるためには、これまでとは異なる考え方や人材も必要になってくる」

 -New Dow,New Asiaを通じた成長目標は。
 「少なくともGDPの伸びの2倍の成長を達成したい。過去数年はこの水準の成長を続けてきた。私の期待は、GDPの伸びの2倍を上回る成長を遂げ、15年に150億ドル、20年に200億ドルの売り上げをアジア太平洋地域で計上し、同時に収益も同様の成長を達成することだ。挑戦的な目標だが、達成できると思う」

 -成長のほかに何を目指しますか。
 「顧客や合弁相手との戦略的パートナーシップをより強固にし、三井物産や宇部興産との提携のような関係をさらに作り上げたい。また人材の育成も重要なテーマだ。アジア太平洋地域で次代を担うリーダーを育成していきたい。そして、そうしたリーダーがフォーチュン250の1社であるダウの将来の成長を支えるようになってほしい」

 -アジア太平洋地域では積極的な投資が進んでいます。
 「06〜11年までタイで30億ドルを投資した。サウジアラビア国営石油会社(サウジアラムコ)との合弁会社のサダラ・ケミカルへの投資も大規模だ。また日本では相馬工場では年末までに生産能力を30%引き上げる。今後3年間でサダラ・ケミカルへの投資を除き、アジア太平洋地域で10億ドルの設備投資を計画しており、そのほぼ半分を中国に向けることになるだろう」
 「ポートフォリオと応用開発のノウハウが強みだ。たとえば日本ではイオン交換樹脂などの相馬工場の生産や応用開発のノウハウがその好例である。ダウの持つ技術を日本の市場にいかに適応していくかを実践するのが、優れた日本人スタッフであることも強みである」

(了)


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