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2012年06月29日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載】迫る節電の夏 どうする関西企業(4)

1ダイキン工業 淀川製作所.jpg
高めの目標で省エネ徹底
 今夏の電力不足を冷静に受け止めている企業もある。日東電工はそんな1社だ。関西電力管内の製造拠点は水処理用のメンブレン膜モジュールの主力拠点である滋賀事業所だけという点がその背景にあるようだ。膜モジュールの製造は電力問題と関係なくグローバル対応を図るため米国の工場にシフトし始めている。「消灯などこれまで行ってきた省エネの取り組みは行うが、休日出勤や電力使用のピークシフトなどの予定はない」(広報)としている。

※以前と同様粛々と※
 京セラも「以前から省エネに取り組んでおり、今夏もそれを粛々と実行に移す」としている。京都市の本社ビルに1040キロワットのコージェネレーションシステムを導入しているものの、滋賀県内の太陽電池などを製造する蒲生(東近江市)、八日市(同)、野洲(野洲市)の3工場には本格的な自家発電設備はなく、同社の広報は「各拠点に法的、安全上で必要な非常用発電機を保有しているが、いずれも小規模なものだ」としている。
 同社は産業用太陽光発電システムのトップメーカーで環境意識も高いことから、社内のソーラー設置には積極的。関電管内の7事業拠点に計905キロワットのシステムを導入しており、増設も計画している。製造現場の節電対策については検討段階で、同社は「計画停電の影響および対策については現在、精査しているところだ」としている。
 ダイキン工業は大阪府摂津市にフッ素化学品を生産する淀川製作所を有している。今夏、節電目標を17%と高めに設定し、この目標をクリアするため早くも省エネに取り組み始めた。淀川製作所には以前からコージェネレーションシステムが導入されており、15%程度の節電であれば装置のフル稼働で不足分を賄えるが、さらに節電の上積みを目指して消灯や空調温度の高め設定などを進めるという。
 一方、空調事業を担当する堺製作所(大阪府)、滋賀製作所の両拠点には自家発電は設置されておらず、今夏には両拠点とも自家発電を新規導入して突然の停電などの非常事態に備える。同社は「自家発電の導入で節電分は補完できる」としており、節電要請が10%に下がれば自家発電のリース設置分はリース業者に返却する見通しだ。
※原発再稼働に葛藤※
 大飯原発の再稼働で関電管内の節電目標は10%以下に緩和される。ただ、大阪市の化学企業の役員は「原発事故の惨状をみれば、個人的な立場からは脱原発に賛成。しかし、会社の経営という現実問題を考えると原発は早期に動かしてほしい。誰にでも葛藤はあるのではないか」と苦渋の表情を浮かべる。化学品の製造現場は電力に大きく依存しており、日本の化学産業は安定した電力供給に支えられて成長してきた。この役員は「われわれはこの試練を化学産業の将来のエネルギー対策の道筋をつける第1歩にしなければならない」と語った。 

【写真説明】
フッ素化学品の製造するダイキン工業の淀川製作所。節電目標を%に設定してエネへの取り組みを強化している


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