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2012年06月14日 前へ 前へ次へ 次へ

国内石化製品調整局面 ナフサ価格下落受け

 国内石化市況は、7月以降に価格調整される可能性が高まってきた。7〜9月期の国産基準ナフサ価格が大幅に値下がりすることが確実なためだ。しかし、4〜6月期の国産基準ナフサ価格の見通しが思ったより低水準となりそうなことが影響し、調整幅と実施日については、すんなりと決まりそうにもない。メーカー側と需要家側との思惑が入り乱れ、最終決着までは曲折がありそうな状況となっている。
 国産基準ナフサ価格は、1〜3月期の1キロリットル当たり5万4100円から4〜6月期は同5万9000円程度に値上がりすると予測されている。しかし、7〜9月期には一転して値を下げ、1〜3月期とあまり変わらない水準まで下落する可能性が強まっている。
 国産ナフサ価格の決定材料である輸入ナフサ価格は、足下で1トン当たり700ドル台で推移している。国産に換算すると1キロリットル当たり4万4000円〜4万6000円程度となる。2月中旬から3月にかけては1トン1100ドル近くまで上昇し国産換算で6万3000円に迫る勢いを見せたが、その後は急落している。
 一方、国内の石化製品価格は、フォーミュラ分を除いて、国産ナフサ価格が4〜6月期には1キロリットル6万円を大きく超えるとの見通しの下で値上げが打ち出された。ポリオレフィンなどを筆頭に、現在までに多くの製品で値上げが浸透している。これら製品では、本来であれば7月からのナフサ価格下落を見込んで、原料に対応した分だけ値下げが実施されるはず。国産ナフサ価格が仮に1キロリットル1万円下がれば、多くの製品がおよそ1キログラム20円価格が下がることになる。
 しかし、そうすんなりいかない要因がいくつかある。一つは、4〜6月期の国産ナフサ価格が値上げの前提となった予想価格である1キロリットル6万円以上から実際は5万円台となりそうな点。需要家にとっては取られすぎたとの思いがあり、この分を速やかに返すべき、あるいは7月以降にはこの分も合わせて価格調整してほしい意向を持っている。
 それに対してメーカーサイドは、実施日のずれ込みなどで、原料コストの上昇分を自社で吸収しなければならない曲面がかねて多いとの主張がある。いわゆる「面積論」と呼ばれるもので、実際に先の値上げでも4月1日から実施された例は極めてまれとみられ、実施・浸透から長引けば長引いた分だけメーカーが自社で負担したコストが大きくなった計算。これまで面積的に「負け」ていた分を、次の価格調整時には勘案してもらいたいと考えている。
 さらには、いまだに決着していない製品も事情は複雑になってくる。ポリスチレン(PS)や塩化ビニル樹脂(PVC)のように上げ幅の圧縮などで早期決着を目指す製品がある一方、中には値下げを強く言われないように表向きだけ値上げ交渉を継続しているものもあるようだ。これら製品では、できるだけ現状の価格水準を長引かせたいとメーカーが計算しているものとみられる。
{グラフ 最近の国産ナフサ基準価格}



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