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2012年03月16日 前へ 前へ次へ 次へ

悲喜こもごものM&A

 円高、新成長戦略の加速を背景に日本企業によるM&Aが活発化している。企業買収では日本より長い歴史を持つ欧米化学業界にとってM&Aは悲喜こもごもだ▼チバ・スペシャルティ・ケミカルズは英国の水処理薬品企業買収で株価を下げ、BASFに買収される遠因となった。ハーキュリーズは全米第2位の水処理薬品企業ベッツディアボーン買収で負債が拡大、事業売却などで再建を進めたものの、2008年にアシュランドに買収され姿を消した▼一方、デュポンによる種子大手パイオニアの高額な買収額が話題となったが、その後の業績をみれば、先見の明があったことが一目瞭然だ。ダウ・ケミカルのR&H買収額も売上高の約2倍と高額だったが、現在の企業成長の一翼を担っていることは明白。とくにアジア事業をこの買収によって拡大できた成果は大きい▼DSMのCEOは、米マーテック買収に関して(M&Aビジネス関係者の)レーダーにかかりにくかったことで、好条件で契約できたことを明らかにした▼欧州化学企業幹部の表現を使うと、「ランチにありつくか、ランチになるか」という厳しいM&A時代を経験した欧米化学企業。今、日本企業はおいしいランチを探しているが、動物にとって最も危険な時は食事中ということも忘れてはならないだろう。


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