再び石化投資に舵を切るダウ
石油化学産業は"ビッグボーイのゲーム"といわれる。世界スケールとされる100万トンのエチレンから誘導品までのコンプレックスを建設すると、3000億円を超える資金が必要になる。プラント設計から完成まで3年を要するだけに、巨額資金をねん出する強固な財務体質が投資の条件となる。市況は7年に一回高騰し、その際に積み上げた収益で残る6年を凌ぐ▼このビジネスモデルに耐えうる企業規模のほか、原料などにアクセスできる会社に絞られる。モンサントが抜け、デュポン、BASFなども石油化学を大きく縮小した▼ポリエチレンでは世界最大のダウ・ケミカルも同様で、エクイティライトの方針のもと、汎用石油化学の縮小を打ち出し、すでにスチレン事業の撤退を完了した。だが、ここへきて風向きが変わってきた▼北米でのシェールガスが同社の石油化学への投資意欲をかきたてている。テキサス州などで計画するエタンクラッカーなどでの投資は「115年の歴史のなかで最大規模」(J・フィッタリング本社執行副社長)になる。スペシャリティケミカルシフトから、北米限定だが大きく舵を切る。エクソンモービルやシェルなどの巨人企業と再び競争する。1世紀連続で配当を実施できる強さにはこの大胆さと変化への対応速度があるのだろう。