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2012年01月27日 前へ 前へ次へ 次へ

国際標準提案の新プロセスに期待

 国際標準提案の新たなプロセスとして「トップスタンダード制度」が新年度から創設される。経済産業省が準備を進めていたもので、日本工業標準調査会(JISC)の国際専門委員会が19日の会合で、トップスタンダード分科会とスマートグリッド国際標準化分科会を設置した。これにより、わが国が官民一体で戦略的、機動的に国際標準獲得を進める体制が整う。新制度を円滑に立ち上げ、早期に成果を上げることを期待する。
 国際標準は、かつては計量や製品規格を主な対象とし、品質や互換性を確保するツールやルールとして機能してきた。
 しかし、経済のグローバル化、ネットワーク化が進んだ昨今においては、知的財産権と組み合わせてビジネスの利益の源泉に位置付けられるほどに重要性を増している。新技術や新規市場で国際標準を獲得することが、国際市場での競争力に直結するためだ。主要各国においては、先端分野を中心に国際標準の獲得を国策として戦略的に推進する動きが活発化している。
 国際標準は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準化会議(IEC)での検討手続きを経て発行される。ISOやIECへの新提案は、国内コンセンサスを形成したうえで、国ごとに行うことになっている。
 わが国の現行制度では、単独もしくは複数企業の起案はJISCが指定する業界団体内での調整を図ったうえで国際提案される。業界団体内での調整に時間と労力がかかるだけでなく、最先進技術が国際提案されにくい問題も生じていた。
 一方、韓国や中国などのライバル国は、少数の旗艦企業が主導して国内調整を迅速に終了させるため、ISO、IECに国際標準を提案する時間が日本よりはるかに短い。結果として、日本企業が優れた技術を開発しても、標準化の段階で海外勢に先んじられたり、最先端だった技術の国際提案が陳腐化するケースも見られた。
 新制度は、企業などからの提案を業界調整抜きでJISCが審査、政策的要素も判断に織り込んで迅速な国際提案を可能にするバイパスルート。従来制度では年単位の時間を要していた国内調整を、最短で週単位まで短縮しようとの構想だ。今後は、従来方式との2本立ての運用となる。
 経産省はまずスマートグリッド分野での適用を念頭に置くが、業種横断分野のほか、新産業分野、中小・ベンチャー企業からの提案などでも有効な仕組みである。わが国標準化戦略の基盤強化策として高く評価するとともに、新制度の活用により国際標準獲得が大幅に加速することを期待する。


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