AN アジア需給軟化 市況1600ドル台
【シンガポール=渡邉康広】アクリロニトリル(AN)のアジア需給バランスが急速に軟化している。中国の金融引き締めの影響から中小を含め玩具メーカーの倒産が相次いでいるほか、欧米経済の減速懸念も重なり、主要用途としてこれまで需要を牽引してきた アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂の需要が急減しているためだ。ANはアジア域内で新増設が立ち上がってくるため、 需要家にとっては供給増の心理も働いているとみられる。このため域内のスポット市況は、今年5月に記録した過去最高値の1トン当たり 2800ドル近く(CFR、極東アジア)から1000ドル目以上安い1600ドル台まで下落している。ただ中長期的に需要が供給を上回る構造に変 化はなく、市場では足下の低迷がいつ反転するかに注目が集まっている。