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2011年08月31日 前へ 前へ次へ 次へ

野田新首相への期待

 民主党代表選が行われた29日、仕事帰りに自宅最寄り駅で、ある若い市会議員の街頭演説を久々にみかけた。今年4月の初当選までは毎日のように駅前に立ち、低く通る声で政治への熱い思いを語っていた。選挙ではその人に投票した▼野田佳彦新首相は地元の千葉県船橋市などでの街頭演説を、閣僚に就任した昨年まで約25年ほぼ毎日続けたというから、相当粘り強く誠実な人なのだろう。代表選演説では自身をドジョウに例え、貧しさや泥臭さをアピールした▼政権交代から2年が経ち、野田氏は民主党で3人目の首相に就いた。しかし鳩山氏や菅氏の首相就任時のような盛り上がりはみられない。震災からの復興、景気・円高対策、財政再建など日本が抱える多くの課題が世の中を暗鬱にしている▼野田氏に対する海外メディアの論評は、知名度の低さもあって曖昧だが、財政規律重視は強調されている。国家の信用が揺らぐソブリンリスクが、世界経済悪化の新たな火種になっていることも背景にある▼国際通貨基金は今年6月、日本は消費税率を2017年までに15%に引き上げるべきとの報告書を発表した。野田氏のいう「苦しいことでも国民にしっかり説明するのが政治の責任」は正論だが、実効性のある成長戦略で日本を明るくするのが最大の課題といえるだろう。


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