再生可能エネのモデル国家へ
再生可能エネルギーとは、繰り返し利用でき、資源が枯渇しない自然由来のエネルギーと定義される。発電分野だと、2009年度は総発電電力量の9・2%を占めた。ただ、水力を除くと約1%であり、実態は寂しい限りである▼発電では太陽光と風力が普及しつつあるが、バイオマスや地熱も有力な候補。安定供給が見込める地熱発電は、火山の多い日本ではとくに有望といわれる。廃材や廃棄物などを使うバイオマス発電はいろいろな方法が考えられ、化学技術も生かせる▼菅直人首相が、再生エネルギー特別措置法案が月内にも成立した後に退陣する見通しとなった。「居直り」にあまたのバッシングを受けながらも、原発事故とも絡む同法案の成立にめどをつけたのは評価してもよいのではないか▼3年前、オーストリアのギュッシング市を訪れた。再生可能エネルギーが地域経済を振興させたモデル都市で、同国で最も貧しかった地域は変貌し、世界中からエコツアー客が頻繁に訪れる▼同市では農業廃棄物を使うバイオマス発電などを推進し、関連企業が集積した。現地で聞いた「同じことができるところは世界中にたくさんある。やるか、やらないか、それだけだ」という言葉がいまも耳に残る。日本は再生可能エネルギーのモデル国家を目指すべきではないか。