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ビジネスにも浸透する?言葉の乱れ
北海道の言葉は標準語に近いと言われ、とくに札幌などの内陸部では、その傾向が強いという。それでも体の芯まで冷えるような寒さを表す「しばれる」や、目・歯などの違和感を示す「いずい」といった方言が残ってきた。時代とともに、これら方言も少しずつ失われていくのであろうか。一方で標準語では「言葉の乱れ」が常に指摘されてきた。「こちらハンバーガーになります」「1000円からいただきます」といった、いわゆるバイト敬語が、その筆頭だろう。話し言葉は変化し続けるのだから"乱れ"とするのは当たらない―という意見もある。とはいえ、乱れだと感じるのは通例、話し手より上の世代だ。20代から60代程度まで混在するビジネスの場では、保守的な言葉遣いがよかろう。
文化庁は毎年秋に「国語に関する世論調査」の結果を公表している。2014年度の調査では「今の国語は乱れていると思うか」の問いに73・2%が「思う」と答えた。1999年度の85・8%から、設問のあった02年度、07年度と時を追って縮小傾向にある。とはいえ7割以上が言葉の乱れを感じている。
各種プレゼンテーションで最近、よく耳にする言い回しの一つが、バイト敬語でもある、指示対象の状態変化をともなわない「―になります」だ。団塊ジュニアより上の世代は、多くが違和感を覚えるのではないか。言語研究者の間では「―です」よりも丁寧な表現、つまり敬語として「―になります」が用いられているとの説もある。
またテレビなどで頻繁に聞かれ、すっかり定着した感のある表現が「?たいと思います」。これも丁寧な表現を心掛けた結果なのか、断定を避ける意図があるのか図りかねる。しかしながら希望・願望を表す「たい」「と思う」を重ねて用いる必要があるのか。また、それ以上に自信のなさを感じてしまう。発表の場ではマイナスだろう。
もう一つ、グローバル化が進み、中小企業でも外国人顧客との商談や外国人社員を交えた会議が普通に行われる。例えば中国語と日本語の対話では、中国人が通訳に立つ場合も多いだろう。その際、正確に通訳してもらうためには、ゆっくり話すことはもとより、難解・特殊な表現を極力避けるべきだ。若者言葉やバイト敬語の類いは通訳者を混乱させる恐れがある。
ビジネスの場で、本質と無関係の言葉遣いに足を引っ張られては、何とももったいない。取引先と日常接する営業担当者だけでなく、技術者、研究者も同様だ。製品・商材はますます高度化・専門化している。言語表現は分かりやすくありたい。