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2015年03月12日 前へ 前へ| 次へ 次へ

メキシコへ熱視線 化学メーカー・商社

トヨタも年内に進出 非日系の取り込みが鍵

 化学メーカーや商社など日系企業のメキシコ投資が活発化してきた。自動車産業の成長にともなう関連部材需要の拡大に加え、トヨタ自動車が凍結してきた海外工場の新設を解除し、年内にも工場を設置する観測が強くなってきたこともその勢いを後押しする。自動車部品の1次、2次サプライヤー(ティア1、2)の集積が進むなか、各社の陣取り合戦も熱を帯びてきた。欧米などの非日系需要をいかに取り込むかが雌雄を決するカギとなりそうだ。

 メキシコ自動車工業会の調べでは、2014年の自動車生産台数(大型バス・トラックを除く)は前年比9・8%増の約322万台、輸出台数は同9・1%増の約264万台と、ともに過去最高を記録した。生産はブラジル(同315万台)を上回り、中南米最大の自動車生産国に躍進。輸出は米国向けが188万台と全体の7割強を占め、"米国の裏庭"としての位置づけも鮮明になってきた。今後もBMWやアウディ、ダイムラーと日産自動車の合弁、起亜の4社が新工場を立ち上げる計画で、トヨタの進出も確実されている。
 トヨタは3年間の海外工場建設の凍結を解除し、部品メーカーなどが集積するグアナファト州への進出を計画。「19年の上期にも小型車の生産を開始するとみられている」(商社)。日系のティア1、2メーカーも出揃っているが、「駐在員事務所を置くなどかたちだけの企業も多い。ただ、トヨタが進出するとなると生産体制を築くための本格投資が予想され、商機も拡大する」(化学メーカー幹部)。
 日本貿易振興機構(JETRO)の調査では13年の日系企業のメキシコ投資の95%を自動車関連が占めている。化学メーカーもティア1、2に向けた製品供給を行うための投資や進出を相次ぎ打ち出している。
 17年をめどにメキシコでエンプラコンパウンドの増産投資を計画するのが旭化成。年産3万トン規模の新工場を設け、自動車向け中心にナイロン66などのコンパウンド供給を目指す。同社は米アラバマ州でも16年1月の生産開始を目指して同3万トンの第2工場を建設中。「北米からメキシコに供給してきたが、メキシコ工場は現地需要にもきめ細かく対応していく」(同社)。
 投資が集中するのはやはり自動車部品メーカーが集積するグアナファト州だ。同州のシラオ市でアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂のコンパウンド生産が緒に就いたのがJSR子会社のテクノポリマー。「北中米の需要取り込みの起爆剤としたい」(佐島康貴社長)との考えで、まず現地メーカーに生産委託する。大日精化工業は1月、三菱商事と合弁で樹脂コンパウンドやマスターバッチの新工場を稼働させた。需要見合いで段階的に設備増強する方針を掲げる。
 ポリプロピレンコンパウンド世界最大手、三井化学系のプライムポリマーもメキシコ拠点で14年末までに約2割増の8万3000トンに増強。メキシコを含む北米需要は「極めて好調」(大多和保彦社長)で、今後も継続的に生産強化を図る方針だ。
 各社が相次ぎ拠点を確保し始めるなか、欧米系など非日系メーカーへの食い込みが優劣を決めそうだ。メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)や日欧、中南米とのFTAを生かした輸出拠点としても急伸しており、「同地でアプルーブメント(品質認証)を確保すれば、他地域への食い込みもスムーズになる」(商社)。
 来月、グアナファト州のレオン市に支店を開設する双日プラネットは、非日系とのコネクションの強さが売り。ローカル企業や欧米系のティア1、ティア2に対するアカウントを持つ現地ディストリビューターと組み、得意分野の車載用のエンプラで市場の1割程度のシェア奪取を図る。


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