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2016年02月15日 前へ 前へ次へ 次へ

生物多様性と経済成長の調和の難しさ

 インド東部、西ベンガル州の村で10日、野生のゾウが迷い込んで7時間にわたって大暴れし、住宅や商店約100棟を破壊した。体重5トンの巨体で壁や家屋をなぎ倒し、自転車やバイクを踏み潰していく。ゾウの興奮ぶりがニュース映像からも伝わってきた▼インドゾウは絶滅危惧種のひとつ。現地では神聖視されている動物でもある。慎重に対応し、麻酔銃で眠らせて保護した。スマホを持った野次馬が現場の混乱に拍車をかけたが、物的被害が大きい一方で死傷者がなかったのは幸いだった▼野生動物が人里に出現することは、世界各地で増えている。国内でもクマが街中に出没したとか、シカやイノシシによる山林、農地の食害がしばしばニュースになる。人間の生活圏が広がり、野生動物の生息域が狭まったことが最大の要因だ▼地球の豊かな自然は、微生物を含めた多種多様な野生生物がつながりあって形成されている。国際社会はその認識を共有し、ルールを定めて生態系保全や種の保護に取り組んでいる。努力は一定の効果を上げつつも、生物多様性の毀損スピードがはるかに速いのが現実でもある▼人口が増えて開発が進むことは、野生生物の側からは越境侵入の拡大にほかならない。生物多様性と調和した成長をどう実現するか。ある意味では温暖化対策以上に解決困難な課題だろう。
 


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