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2017年11月15日 前へ 前へ次へ 次へ

遺伝子治療 カルタヘナ法の緩和を

 米国において、腫瘍に対するCAR―T(キメラ抗原受容体T細胞)療法、腫瘍溶解性ウイルス療法が相次いで承認されたのを受け、長らく停滞していた遺伝子治療が改めて評価されている。CRISPR/Cas9(クリスパー/キャス9)などゲノム編集技術を応用し、実用化が加速することも期待されている。欧米の製薬企業やバイオベンチャーでは、すでに遺伝子治療の臨床開発に積極的に乗り出しており今後、さらに競争が激しくなりそうだ。
 日本の製薬企業も、遅ればせながら遺伝子治療の臨床開発に動き始めたが、足かせとなっているのが「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)への対応。
 カルタヘナ法は、遺伝子組み換え植物などの普及により生物種が減少したり、絶滅することを防ぐための国際協定「カルタヘナ議定書」の取り決めを国内で実施するために定められた。カルタヘナ法により、遺伝子組み換え実験は当局への申請、許可を経て実施することが義務付けられている。
 現在、組み換えウイルスをベクター(運び屋)に用いる遺伝子治療の臨床研究・治験を実施する際は、カルタヘナ法第一種使用規定に基づく承認が必要とされる。患者にウイルスを注入した際、その患者から第三者に感染するリスクがあることが理由だ。ただ、これはウイルス排出管理の問題であり、カルタヘナ議定書本来の趣旨である環境影響に対する問題ではないはずだ。欧米では別々に規制しているウイルス排出管理と環境影響評価を、日本ではカルタヘナ法一つで規制してしまったため、遺伝子治療の治験開始のハードルが高くなってしまった。
 具体例を一つ挙げれば、欧米ではウイルスの排出量、時期、経路のデータは治験を通じて収集し、隔離方法などの対策をまとめたかたちで製造販売承認の申請時に提出する。一方、日本では、カルタヘナ法の規制により同データを治験開始までに提出しなければならない。
 日本では、カルタヘナ法以外にウイルス排出管理と環境影響評価に関する規制はなく、遺伝子治療のためだけにカルタヘナ法の規制を撤廃することは現実的に難しいだろう。そのため厚生労働省も、体外遺伝子治療の治験においてウイルスが残存していなければ第一種使用規定申請を不要とするなど、運用の見直しを進めている。しかし日本が遺伝子治療分野の出遅れを取り戻すには不十分。治験だけでなく臨床研究における運用の見直し含め、カルタヘナ法の一段の規制緩和が必要になろう。


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