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2017年11月07日 前へ 前へ次へ 次へ

農業用ドローンの規制緩和急ぐべき

 農業用ドローン(小型無人機)に対する注目度が高まっている。農薬散布では、すでに無人ヘリコプターが活躍しているが、より小回りがきくドローンなら、これまで難しかった市街地や中山間地の狭い農地でも利用できる。山勝ちな日本では、耕地面積に占める中山間地の割合が約4割にも上るだけに期待は大きい。
 ドローンによる農薬散布の課題とされていた薬液の飛散も克服されつつある。農業用に特化してドローンの開発を進めているベンチャー企業、ナイルワークス(東京都渋谷区)では、2重に設置したプロペラを、上下それぞれ逆方向に回転させて気流をコントロールすることで、飛散の大幅低減に成功した。ドローンは無人ヘリコプターに比べ飛行時に下側に吹く風が小さいために、横風に薬液が吹き流されやすい。風で実が落ちたり葉がちぎれたりすることがないので、風に弱い果樹や野菜類への農薬散布にも利用できる点は長所だが、隣接する別の畑や住宅地に農薬が飛び散るようなことがあってはならない。
 同社の技術は高く評価されており先月、総額8億円の第三者割当増資に産業革新機構、住友化学、クミアイ化学工業、住友商事、全国農業協同組合連合会(全農)、農林中央金庫が応じた。世界で初めてセンチメートル単位の精度で完全自動飛行する技術の開発に成功しており、特殊なプロペラの構造ばかりでなく、作物の上空30センチメートルの至近距離を飛行させることによってもドリフトを抑えられる。同時に生育診断技術の開発にも取り組んでおり、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を1株単位の精度で散布する新しい精密農業の実現を目指している。
 ここから見えてくる農業の未来の姿は、ドローンによる栽培の自動管理だ。自律飛行するドローンが自ら異常を察知し、その場で農薬の散布や追肥を行うことで対処する。
 ただし現在の農業用ドローンの運用規定では、操縦者とナビゲーターの2人1組で、手動による目視飛行が義務付けられている。無人ヘリコプターの運用規定に準じたものだが、これでは技術開発の成果を享受することができない。
 現行の規定は今後の急速な技術の発展を想定した、あくまで暫定的なものと位置付けられている。もっとも、いたずらな規制緩和の結果、問題が多発するようなことになれば、ドローンの農業利用の道自体が閉ざされてしまいかねない。当局には、慎重でありながらも迅速に規制緩和を進めてほしい。


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