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2016年11月15日 前へ 前へ次へ 次へ

バイオマス燃料の確保に知恵絞れ

 現在、北海道から九州まで全国各地でバイオマス発電所の建設が相次いでおり、2017年から18年にかけて順次稼働が見込まれる。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)をベースに、本格的な普及期を迎えているものだ。地球温暖化防止への貢献に加え、未利用間伐材の燃料利用による地方経済の活性化が期待される。
 バイオマス発電所の建設ラッシュはプラント・エンジニアリング業界にとって追い風。各社は設計・調達・建設(EPC)だけでなく運転・保守業務(O&M)にも力を注いでおり、重点的に育成する構えにある。
 燃料の木質バイオマスは、地域で発生する建築廃材や森林の間伐材を利用する。樹木は成長期にCO2を吸収するため燃やしてもCO2フリー。化石燃料への依存度を下げることに役立つ。また太陽光、風力といった再エネに比べ、電力供給の安定性に勝るのが魅力だ。
 建設中の発電所の能力をみると、5000キロワット級の小型から7万キロワット規模の大型までさまざま。発電分はFITで20年間の買い取りが保証される。ただ来年以降の本格操業を前に、燃料バイオマスの確保が大きな課題となってきた。例えば5万キロワット級プラントでは年に数十万トンの木質燃料を使う。しかし必要量を周辺の林業地域だけで調達するのは現実的に不可能だ。
 このため東南アジアなどから木材やパームヤシ殻(PKS)の輸入が急増すると予測されている。プラントオーナーの燃料経費がかさみ、電力会社の買い取りに当たってもコスト増が反映される仕組みとなっているため電力料金は上昇、消費者の負担は重くなる。そして国内林業の活性化にもつながらない。
 この悪循環を解消するには、FITにおけるバイオマス毎のの買取価格を見直す必要があるだろう。家屋などの解体廃材は1キロワット当たり13円、古紙や廃棄物固形燃料(RPF)は17円と安い。半面、製材端材、輸入木材やPKSは24円と相対的に高い。もっと引き下げてよいのではないか。FIT開始時に太陽光の買取価格が高く設定されたが、段階的に引き下げられた。その経緯も参考になろう。
 同時に、国内での燃料確保に向けた技術開発が急がれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、バイオマスエネルギーの地域利用拡大で新規6テーマを採択し、実証実験に入る。またIHI環境エンジニアリングとラサ工業は、北海道で発生するもみ殻を燃料とする共同研究で合意した。買取価格の見直しと合わせ、国内バイオマス資源の、さらなる活用につなげてほしい。


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