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2016年03月30日 前へ 前へ次へ 次へ

セルロースナノファイバー普及に挑む 中越パルプ(下)

 天然資源である樹木のセルロース繊維をナノメートル単位にまで微細化してセルロースナノファイバー(CNF)にすると、紙・パルプとは違う新たな可能性の芽が見え始めてきた。とくに中越パルプ工業にしかできない竹を使ったCNFは、疎水性が顕著に発現。強化プラスチックへの応用をはじめ、さまざまな展開につながると期待される。サンプル出荷や生産能力の増強に取りかかり、CNFの市場で大きな存在感を示そうとしている。

 「ポリオレフィンに竹由来のCNFを混ぜた複合材の提案に関しては本気で勝負していく」。開発本部長の高岸伸取締役はこう話し、市場の創出を目指す姿勢を改めて強調した。

 中越パルプ工業は2015年、出光ライオンコンポジットとポリプロピレン(PP)にCNFを均一に分散させた複合材料の開発に成功している。出光ライオンコンポジットの販売網を活用して、このサンプル出荷を4月にも始める計画だ。将来への課題を洗い出し、17年の本格販売を目指す。

 ポリオレフィン樹脂は自動車部品や電機・電子材料などに広く利用される。一方のCNFは鉄の5分の1の重さで5倍の強度を持つ特徴がある。少量のCNFを混ぜるだけで強度を高めたり軽くしたりする使い方のインパクトは大きいとみる。

 ほかにもCNFは可視光の透過率は90%程度と高く、ガラスに比べて熱膨張が50分の1とゆがみにくい。こういった特性を兼ね備えていることから、スマートフォンやウエアラブル端末の液晶画面で表面ガラスからの代替需要も見据える。

 完成品メーカー側の動きも活発になってきた。音響機器を手掛けるオンキヨーは、中越パルプ工業の竹由来CNFを使ってスピーカーの実現にこぎつけた。

 CNFは高密度なため、音楽や音声を出すスピーカーの振動板に使うと振動がうまく伝わり高音の再現性が高まるのだという。CNFを使用した世界初のスピーカーとして16年内の販売を予定する。

 量産設備を稼働させるための準備も進める。これまでは小型プラントで年数トンのCNFを生産してきたが、量産設備は同数十トン規模に設定。立地場所は高岡工場(富山県高岡市)か、川内工場(鹿児島県薩摩川内市)を軸とする方向だ。

 来春をめどに稼働させる方針で、需要が増えれば、その後の設備拡充も視野に入れる。量産化に向けて調製条件を最適化し、成形加工先と共同で信頼性テストや安全性などの確認も急ぐ。

 現在のCNFのコストは1キログラム当たり5000―1万円程度とされる。高岸取締役は「まずは2000円を切るのが目標」と抱負を述べる。売り上げについては「20年には少なくとも数億円を目指したい」と意気込む。

 植物由来の次世代素材として製紙各社や化学メーカーが技術開発にしのぎを削るなか、「いかに安く作れるか」(高岸取締役)が将来の競争を左右することは言うまでもない。直面するこれらの課題がクリアできれば、他社にはない竹由来のCNFに一段と注目が集まりそうだ。

(おわり)


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