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2016年03月30日 前へ 前へ次へ 次へ

モノづくり デジタル化の奔流 《6》 革新生むカナダ(下)

 エネルギー分野でもロボット導入が進んでいる。オンタリオ州は太陽電池モジュールの輸出拠点でもある。また自動車大手がエコカー投資を活発化していることもあって、リチウムイオン2次電池(LiB)産業も芽生えてきた。LiBの製造装置は伸び盛りだ。カナダは原子力発電に力を注いでいることもあってパワープラント周りの溶接、加工の技術力も高い。

 オンタリオ州ミササガには加伊独3カ国協業の成功例がある。イタリアの太陽電池モジュール大手のシルファブソーラーの工場を、独ロボット大手のクカ・ロボティクスが自動化して生産性を大幅に高め、欧米とアジアへの輸出拠点に育てた。自動化ラインを構築した結果、年産能力は約300メガワット(100万パネル)と4倍になった。

 政府は太陽光発電システムの導入に当たり、融資金利を通常の4%以上から1%に低減する優遇措置をとっていることもあって「今後さらなる増産も検討する」(パオロ・マカリオ ゼネラルマネージャー兼COO)。また「太陽電池は発電効率の勝負」として単結晶シリコン太陽電池を主力にしている。最近はパネル裏面の反射光も発電に利用する高効率型が増えてきた。

 同社工場は24時間365日稼働。2人がかりで丁寧にやらねばならないような作業もロボットがこなしている。床に積み上げられた薄いガラス板を1枚ずつロボットアームが素早く引き上げる。ガラスの傷を防止するために挟んである保護シートも器用に一枚ずつ剥がしてリサイクルに回す。パネル1枚に太陽電池セルは60枚搭載し、全セルを通電検査。バックシートも自動装着する。ラミネート封止加工後は冷却してアルミフレームに組み付け、ジャンクションボックス(集線・端子保護箱)を取り付けてモジュールに仕上げる。

 LiB製造蔵置の需要も旺盛だ。液体注入用高機能ポンプ装置のハイバー・システムズではここ数年、LiBの電解液注入装置の売り上げが伸びている。同社は液体の注入量をミリリットル単位で精密に制御する技術を持つ。注入時、一滴も漏れないように「インサイドノズル」という構造を取り入れたのがミソ。工場では超精密ポンプ部材を日本製のCNC(数値制御)装置で切削加工しているが、LiBや食品用は汚染を防ぐためにステンレスなどの金属ではなく、セラミックスを使うという。

 また肘・膝の屈伸動作を補助する医療機器向け特殊LiBは正・負極の集電体がびっしりと詰め込んであるため、数ミリリットルとはいえポンプでは電解液を注入しづらい。そこで真空状態にして電解液を浸透させている。

 同州では電気自動車(EV)や電力貯蔵向けLiBの「エレクトロバヤ」(Electrovaya)や「イーカミオン」(e―Camion)といったLiB企業も育っており、産業の裾野が広がりつつある。

 一方、原子力産業を振興しているカナダでは、リアクター(核分裂炉)周りの技術が発達している。MDAロボティクスは遠隔操作で原子炉内部のメンテナンスを行うロボットを開発している。また石油やガスなどのエネルギー業界向け冶金・溶接技術を得意とするリバーディは、巨大なガスタービンやクーリングパイプの修理だけではなく、3軸加工ロボットを使ったエンジン部品製作を行う。ノズルから吹き出す直径150マイクロメートルほどのチタン粒子をレーザー照射で溶かして成形(デポジットパウダー法)するなど、プロセス技術に強い。

 多様なロボット技術を持つ日本とカナダ。技術パートナーとしても市場としても共存している。

(おわり)


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.