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2015年10月30日 前へ 前へ次へ 次へ

知識集約産業に賭けるシンガポール

 2015年通年の経済成長予測を2.0―2.5%に引き下げたシンガポール。00年代半ばまで続いた高成長が終わり、低成長時代を迎えている。金融や製造業に重きを置いてきた経済政策は近年、知識集約型産業に活路を求めているが、明確でスピード感、柔軟性に富んだ戦略に学ぶべきことは多い。
 今でこそグローバルなR&Dハブとして知られるシンガポールだが、本格的な取り組みを開始したのは1991年のこと。当時、20億シンガポール(S)ドルだったR&Dの国家予算は現在、8倍の161億Sドルに達した。同国のR&Dに対する基本方針はハッキリしている。「基礎研究よりも、より商業化に直結する応用研究」「自国民の育成に時間をかけるよりも、素地がある先進国から研究者を呼び寄せる」というスタンスだ。R&D分野で進出する企業に対するインセンティブに手厚く、民間研究開発費(BERD)は25年間で15倍の45億Sドルに拡大。同国で従事する研究者やエンジニアの数は6倍の3万2000人と、全就業者の100分の1を占めるほどに増えた。この間に、R&D分野でP&Gやロレアル、ゼネラル・エレクトリックをはじめとするグローバル企業の誘致にも成功している。
 シンガポールの優れたところは自国の能力を客観的に判断して弱みを認め、その弱点を強みに転換できる柔軟性だろう。狭い国土というハンデを逆手にとり、国そのものをテストベッド(実験台)として活用する手法は都市国家ならではのもの。
 グローバルトレンドへの反応も迅速だ。例えば日本や欧米企業が先行する自動車の自動運転技術。シンガポールの研究機関は9カ月前にプロジェクト立ち上げたばかりだが、すでに港湾設備などで試験走行を開始している。いち早く都市レベルでの実証実験を行い、必要なインフラや規制が整っていることをアピール。同分野に関心を寄せるグローバル企業を呼び込もうとしている。
 昨年10月発表した「スマート国家」戦略では、サイバーセキュリティ、エネルギー、輸送分野のR&Dを強化する構想を掲げた。これらの技術開発も自国をテストベッドとして進める計画だ。外部で蓄積された技術をベースに、シンガポールをモデルとした都市型ソリューションを確立。それを輸出して稼ごうというのが真の狙いである。
 自国発の技術革新では、日本や欧米の先進国に見劣りする感が否めないが、シンガポールの研究機関は「国家経済の浮沈を担っている」との自覚が強い。彼らの本気度が大きな成果に結びつく日も遠くないだろう。


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