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バイオマス発電普及へ幅広い施策を
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の導入以降、大きく注目されるようになった木質バイオマス発電。とくに間伐材などの未利用材の活用が進めば、山間地域の経済活性化にもつながるとして期待は大きい。FITでは2014年度、木質バイオマス発電全体で80万キロワットの容量が新たに認定され、13年度末の約2倍の規模になった。ただ一時期の太陽光発電フィーバーが想起され、今後に若干の不安も残る。
FIT施行後、今年4月末までに新規認定された木質バイオマス発電設備は105件で、容量は175.2万キロワット(バイオマス比率を考慮した数値)に上る。このうち未利用材による発電設備は51件で36.9万キロワット。FITでは今年度から2000キロワット未満の設備を優遇し、1キロワット時当たり40円で買い取るようになったこともあり、さらなる拡大が見込まれる。
わが国では、間伐材など林地残材が年間2000万立方メートル発生するが、ほとんど利用されていない。間伐材を山から運び出すために人手やコストがかかることが理由だ。その意味でFITの意義は大きいと言えるが、間伐材の収集が実際に困難な場所も多く、長期にわたり安定的に木材を調達できる地域は限られる。
2000キロワット未満の小規模発電を優遇するのは、未利用木材を巡って事業者が競合することを避ける狙いもある。FITでモデルとした5000キロワット級のバイオマス発電設備では年間10万立方メートルの木材が必要。その集荷想定範囲は半径50キロメートル程度にも及び、木材の争奪戦が起きる原因となっている。小規模発電であれば、見合う範囲の地域内で集荷可能なため、競合が起きにくいというわけだ。
搬出しやすい場所にある未利用木材を使い果たせばどうなるか。採算に合う間伐材を入手することができずに廃業に追い込まれる発電事業者が出るだけでなく、買い取り価格の誘惑に負け全国の山林で大規模な皆伐が起きる可能性も否定できない。一般木材による発電では、すでに燃料不足を背景に木材価格が高騰。本来製紙用として切り出された木材が発電用途で利用されることも少なくない。
バイオマス発電は他の再エネと違い、燃料コストが事業採算を大きく左右する。一方で発電時の廃熱を有効利用できれば、大幅な効率向上が可能だ。ドイツは、熱利用を前提にバイオマス発電の普及を進めているという。わが国もコージェネレーションの推進、ごみ発電との併用など、幅広いメニューを持って普及策を考えていかねばならない。