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2015年07月31日 前へ 前へ次へ 次へ

横浜市が挑む「ブルーカーボン」事業

 横浜市が5年ほど前に開始した「ブルーカーボン」事業が新たな脱温暖化プロジェクトとして注目を集めている。地上の植物が光合成によって固定する炭素が「グリーンカーボン」。これに対してブルーカーボンは、藻類などの海洋生態系によって吸収・捕捉される炭素を指す。国連環境計画(UNEP)が2009年に提唱した概念だ。世界中で放出されるCO2(炭素換算量)の約3割を海洋が吸収し、そのうち10%が枯れた藻類など堆積物として海底に固定される。藻場の再生によるCO2削減効果も期待され、気候変動対策にとってブルーカーボンは重要なオプションといえる。
 横浜市は約140キロメートルの海岸線を有する海洋都市。同市のブルーカーボン事業は、藻場の保全・再生や海洋生物によるCO2吸収にとどまらない。沿岸域にある資源(ブルーリソース)すべてを活用するのが特徴だ。海洋生物の栄養塩類の吸収による水質浄化も組み込んだ。海洋バイオマスのメタンガス化、エタノール化や藻類によるバイオディーゼル燃料の製造に加え、海水利用ヒートポンプ、海洋風力発電、波力発電といった臨海部での再生可能エネルギーの利用も進める。さらにワカメ、アサリなど海産物の地産地消によるフードマイレージの削減を挙げている。
 水質浄化は海洋都市として多くの面で経済効果を生み出し、さまざまな生物が生息する海浜環境は、地域のブランド力向上にも一役買う。まず市民を対象に環境教育・啓発を積極的に行い、海の恵みの重要性を再認識してもらうことだろう。親しみやすい海づくりへの好循環が生まれる。企業の海洋保全活動によって社会が生態系から恵みを得、それによって企業が評価される仕組みも必要となる。
 これらの活動資金について、横浜市ではブルーカーボンのクレジット化を視野に置く。ただ沿岸域は、陸域からの有機物が分解される場であり、CO2の放出源。ブルーカーボン自体、近年になって登場した概念であり、クレジットが認められていないのが実情だ。
 このため最新知見を援用しながらも、まずは極力簡易なローカルルールを整備し、クレジットを創出・活用していく考え。一方、モニタリングによって効果を継続的に把握し、科学的な裏付けを担保することも忘れない。今後の普及に向けては、他のカーボンクレジットと差別化することもポイント。ブルーカーボンならではの魅力を付与したいところだ。これらアイデアの醸成も、市民や企業の理解・協力を得ることが第一歩となってこよう。


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