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2015年07月13日 前へ 前へ次へ 次へ

注目されるダウェー経済特区の開発

 日本とメコン川流域5カ国(タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス)の首脳会議が今月4日、東京で開かれ、日本の政府開発援助(ODA)を盛り込んだ共同声明を採択した。今後3年間で7500億円規模の資金供出を行う。5カ国の発展と安定を後押しするとともに、日本との良好な関係の構築に役立つことを期待したい。
 メコン川流域5カ国は、互いの力を合わせ、国を超えたインフラ整備によって新たな経済圏の形成を進めている。5カ国の人口は合計で約2億3000万人にも上り、相当の市場が拓ける。ただ国によって発展の状況はさまざまだ。その点を見定めながら、きめ細かく、適切な援助を行うことが必要だろう。
 共同文書のなかで、とくに注目されるのが東南アジア最大規模といわれるミャンマーの「ダウェー経済特区」の開発だ。日本、ミャンマー、タイの3カ国が開発協力に関する覚書に署名した。共同文書でも、プロジェクトに潜在する多くの可能性と地政学的意義が謳われた。
 ダウェー経済特区は、インドシナ半島の経済回廊計画の橋頭保の一つと位置付けられ、メコン地域の開発のなかでも、ひときわ重要なプロジェクトといえる。ダウェーは、タイ西部カンチャナブリ県との国境から西130キロメートルほどに位置し、バンコクから約300キロメートルの好立地。またベトナムのホーチミンからカンボジアのプノンペンを経てバンコクへ続くメコン圏の一大物流網「南部経済回廊」は、将来的にダウェーまで伸びる計画にある。西端のダウェーに国際港ができれば、シンガポールを経由せずに東アジアとインド・中東を結ぶ経済ルートが創出され、当地の活性化につながることは間違いない。
 この開発については、2008年にタイ政府がミャンマー政府と基本合意したが、あまり進んでいない。バンコクからカンチャナブリのミャンマーとの国境までの道路は整備されているが、国境からダウェーの間は未舗装のうえ130キロメートルもある。日本政府は、ダウェー開発での資金援助は表明していないが、知恵を出し合い、積極的な支援を望みたい。
 日本政府がミャンマー政府と協力して進めるヤンゴン近郊のティラワ工業団地は軽工業が中心だが、ダウェーについては石油精製や石油化学など重化学工業が中心となる見込みだ。すでに中国企業がミャンマーの現地企業と組み、10万バーレル規模の製油所を新設する話が出ているという。わが国の石化産業にとっても将来、有望な投資先になる可能性があろう。十分に目配りしておくべきではないか。


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