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時代の変化に直面する光ディスク
太陽誘電が先月、光ディスクを中心とする記録メディア製品事業からの撤退を表明した。ハードディスクドライブ(HDD)の大容量化やクラウドコンピューティングの普及にともなって市場が縮小。原価低減や生産性の向上など収益改善に努めたものの、想定を超える需要の減少や原材料価格の高騰に耐え切れなかったという。業界団体として統計調査や普及啓発を行ってきた日本記録メディア工業会は2013年に解散した。メイド・イン・ジャパンの高品質の光ディスクで評価の高かった太陽誘電の撤退も、記録メディア製品を取り巻く環境の大きな変化を感じさせる。
現在、国内で販売されているDVDなどの記録型光ディスクは、ほとんどが海外で生産されている。一方、次世代のDVDと期待されたブルーレイディスク(BD)は、当初の見込み通り普及したとは言い難く、DVDと並ぶまでに至っていない。記録型BDが、世界的に普及が進んでいない理由の一つが、BDレコーダーの市場がほぼ日本に限られる点。パソコンの光ディスクドライブも、BD対応型への移行が遅れている。
デスクトップパソコンの需要減少に加え、BD対応型ドライブを標準搭載しない薄型ノートパソコンが増加。さらにタブレットパソコンやスマートフォンなど情報携帯端末の爆発的な普及が追い打ちをかけ、光ディスクを使用する場面は、これまで以上に見られなくなった。
記録型光ディスクの復活は、少なくともコンシューマー市場では見込みにくい。音楽や映像がネット配信され、スマートフォンで視聴することが主流となりつつあるなか、光ディスクに出番はない。
そのなかで今後の市場として期待されているのが、BDの大容量を生かしたアーカイブ用途だ。パナソニックとソニーが共同で業務用次世代光ディスク規格「アーカイバル・ディスク」を策定。1ディスク当たり記憶容量300ギガバイトのシステムを今夏以降に市場投入する。さらに光ディスク・ドライブ両メーカーのコンソーシアムであるOPARG(オプティカル・アーカイブ・グループ)も、データ保存の品質・信頼性向上を前面にソリューション提案などの活動を積極的に進めている。
一時期、HDDに駆逐されると見られていたコンピューターテープは、映画などの大容量アーカイブを保存する記録メディアとして生き残り、HDDとの棲み分けが進んだ。光ディスクも今後、さらなる大容量化を図ることによって業務用記録メディア市場の一角を切り拓くことが期待される。