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2015年06月30日 前へ 前へ次へ 次へ

イネゲノムの成果生かし価値創造を

 イネゲノムの完全解読から10年以上が経過した。植物科学の基盤情報として、ゲノム育種技術への活用をはじめ、さまざまな育種研究が世界中で進められるようになった。日本勢が主導したイネゲノム国際コンソーシアムによる成果であり、日本人研究者の果たした役割は極めて大きい。世界的な食料不足が問題となるなか、遺伝子情報を生かし、多収性、耐病性、害虫抵抗性、耐暑性など生産上有用な形質を付与したコメの作出が急がれている。国内向けには良食味の追求も重要テーマだ。用途ごとに機能性を発揮する価値ある品種づくりに生かされることを期待したい。
 イネゲノムの解読作業は2004年12月に完了し、その成果は英科学誌「ネイチャー」の05年8月号に掲載された。解読した品種は水稲栽培品種の「日本晴」。日本グループは染色体12本の内6本、塩基数にして55%の解読を担当した。農林水産省の農林水産技術会議事務局の指導の下、わが国のイネゲノム研究プログラム(RGP)チームによって解読を開始。RGPを中心に10カ国がコンソーシアムを組み、国際イネゲノム塩基配列解読プロジェクト(IRGSP)を推進した。現在までに遺伝子発現、アノテーションなど20を超えるデータベースや解析ツールが構築・開発され、さらなる研究進展のための環境が整ってきた。
 ゲノムの解読成果といえば一般に遺伝子組み換え技術への活用が思い浮かぶだろうが、それだけではない。日本では、DNAの塩基配列の違いを目印として優良な個体を選び出す「DNAマーカー選抜技術」の発展に寄与。いもち病に強い「ともほなみ」や沖縄での栽培に適した「ミルキーサマー」といった良食味米の実用化につながった。また従来、10年以上を要した育種期間も4-5年に短縮可能となった。
 10年4月には、農業生物資源研究所の手によって、わが国の代表的な品種である「コシヒカリ」の全ゲノム塩基配列も解読された。ゲノム情報は、次世代の育種技術と見込まれる「ゲノム編集技術」にも活用が進められており、実用品種の登場が待たれている。
 有用形質を付加するといっても、多くの遺伝子が関与するなどの理由から新品種開発は一筋縄ではいかない。形質を的確に評価する技術の開発が併せて必要となる。わが国はイネゲノム解読で世界をリードしてきた。今後は、その力を世界の食料問題解決につながる新産業の育成に当て、オールジャパンで臨むことが重要だ。研究の継続とともに厚い予算配分を求めたい。


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