日付検索

2015年10月の記事を読む
2015年9月の記事を読む
2015年8月の記事を読む
2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む

ニュースヘッドライン記事詳細

2015年06月30日 前へ 前へ次へ 次へ

「化学工場の強靱化9」 現場に見る対応策

三菱化学唐津正典専務[1].jpgBCP踏まえた対策を
必要に応じて情報共有化 
 化学工場は過去の大震災を教訓に、東南海トラフ地震など将来想定される地震、津波への備えを徹底している。防災・減災に加え、製品供給をし続けるBCP(事業継続計画)の観点の対策も欠かさない。三菱化学で環境安全・品質保証部などを所管する唐津正典・代表取締役専務執行役員(写真左)に話を聞いた。
     
▼化学プラントは安全に対して、どのような基本方針のもとで設計されていますか。
 「化学工場は地震時、加速度の大きさに応じて各設備が安全に停止するよう設計されている。最も大きな加速度で止まるのが電力、蒸気を供給する用役プラント。人為的なミスに対しても、プログラムが異常を検知し安全サイドに誘導する。化学物質が漏洩したり、反応条件が想定以上に変化することは事故につながりかねない。無理をして稼働を続けることは毛頭考えていない」
 「一方で化学工場をより強靱化するという観点では、いったん停止した設備を再稼働させ、製品の供給をいかに早く再開できる体制を構築するかが課題であり、東日本大震災以降、さまざまな手を打ってきている」
▼震災後、どのような取り組みを行ってきましたか。
 「東日本大震災では鹿島事業所(茨城県)において、プラント停止、津波、液状化といった被害を実際に受けた。水やガソリンの供給は20日程度途絶し、設備再開まで約2カ月を要した。こうした経験を他の事業所にも伝え、同様の事態に陥ったケースをシミュレーションし、対応策を練ってきた」
 「人命確保の対策を最優先に取り組んだ。2014年度までに、工場関係者が従事する建物の8割方で耐震対策を終えた。液状化は、震災での経験を踏まえ、危険が予測される道路の構造を独自に分析し、火災時対応にも備えて各事業所の保安道路の液状化対策をまとめたところだ」
▼津波への備えは。
 「当社の事業所がある中では、北九州や瀬戸内の津波影響は大きくないと予測されている一方、東南海地震による想定の津波高さが6〜7メートルの四日市事業所での対策が喫緊の課題。人命を守る観点では避難経路や避難場所を既に確保したが、想定される津波に耐えうる防潮堤設置に向けて県とも協議を重ねている。四日市でしか生産していない製品の継続供給については、事業部門やリスク管理部門を交えてシミュレーションを行い、在庫や他社との連携による対策を作成した」
▼震災以降、一連の防災対策に費やすコストはどれくらいになりますか。
 「建物100棟程度の耐震対策を行い、およそ30億円を投じている。窒素発生設備や排水処理設備の更新にも数十億円を投資している。そのほか高圧ガスの球形タンクへの耐震補強なども手掛け、この5年で計100億円を超えている」
▼BCPの面では、どんな対応を考えていますか。
 「1ユーザーと在庫状況などの情報を共有する2他の事業所で同一製品のスペック認定を取得し、複数拠点での生産を検討する3海外も含め地震被害を同時に受けない距離をもった2拠点で同一製品を供給できる状態にする-という順で3段階の対応が考えられる。実際に鹿島で生産している医療製品向けのポリオレフィンは水島で作れるようにした」
 「ただ、顧客とユーザーが全ての情報をつまびらかにして話し合うケースもあれば、ビジネス上、必ずしも全容を開示できない場合も多い。震災時には海外品が大量に流入した苦い経験もある。BCP対策はさまざまな事情が絡み合うのが現実だ」
▼自社で培った化学技術を独自に防災に生かすといった例はありますか。
 「高圧ガスのタンクに、鉄に比べて強度が高く軽量化が図れる炭素繊維を応用するというアイデアがあり、研究を重ねている。ただ、鉄など従来の素材は長年かけて安全に対する実績を積み重ねており、そう簡単に代替できるわけではない」
(三枝寿一)

連載「化学工場 強靭化」は松岡克守、三枝寿一、佐藤尚道、高井肇が担当しました。
(了)


 


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.