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2015年02月19日 前へ 前へ次へ 次へ

注目度増す"3D臓器モデル"

ニーズ捉えた差別化カギ

 次世代の加工技術として注目されている3Dプリンター。パソコンに取り込んだデータで、樹脂を用いて簡単にフィギュアのような成形物が作れるようになった。3Dプリンターの価格が安くなったことがブームを後押ししているが、安易に装置を購入して参入した業者は退場していくという。真の市場ニーズに合致した付加価値の高いものしか生き残れないということだろう。本紙は新たなビジネスモデルとして医療向け3D臓器モデルに着目し、昨年末から7回にわたり「3D臓器に挑む」を連載した。ここでは、素材を含めた差別化が早くも始まっていた。
     ◇ ◇ ◇
クロスエフェクトの心臓2色モデル[1].jpg 紹介したJMC、クロスエフェクト、タナック、マテリアライズジャパン、ウェトラブ、八十島プロシード、ファソテックの各社が3D臓器へ本格参入したのはおおむね4〜5年前。3Dプリンターから直接、最終製品を作り出す企業もあるようだが、金型を作るためのモデル造形用に3Dプリンターを用いる企業も多い。
*多様な方式が採用*
 3Dプリンターとの名称からインクジェット方式を連想しがちだが、広義には高分子材料の光硬化反応を利用した光造形技術なども含まれる。メーカーによってさまざまな方式を採用しており、今後も新方式が開発される可能性はある。
 先行メーカーでもあるJMCは光造形、インクジェット方式、熱溶融積層方式、石膏粉末造形、ナイロン粉末をレーザーで焼き固め積層する粉末硝石造形を扱う。3Dプリンター技術について同社は、既存技術の代替ではなくその特性に合致した新市場・新分野の開拓を主に行う。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「高機能足場素材とバイオ3Dプリンターを用いた再生組織・臓器の製造技術への開発」に参画し、バイオ材料の応用研究を始めている。
*独自の樹脂開発*
 一方、3D臓器モデルに使われる素材(樹脂)については、シリコーン、ウレタン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリルなどが多く、中にはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂やポリ乳酸(PLA)、ナイロンなどを用いる企業もある。タナックは単なるシリコーンやウレタンではなく、強度を大幅に改良したり、表面のべたつきを大幅に改善するなど独自の製法で従来にない樹脂を開発した。素材面においても差別化が進みつつある。
 複雑形状で特注品が多いことから一般の工業品に比べれば納期の制約が厳しくないものの、逆に短納期を売りにしている企業もある。
 使い捨てできる量産モデルを受託生産する企業はあるものの、疾患のある患者の心臓をCTスキャンして、そっくりの模擬臓器を作るなど高付加価値品に特化している企業が多い。クロスエフェクトは内腔までを忠実に再現した心臓をオーダーメードで提供できる。その技術や有用性が評価され、心臓の成人正常モデルで2013年に「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」や「グッドデザイン賞2013 金賞」を受賞するなど3D臓器モデルに対する社会的関心が高まるきっかけの一つを作った。
 3D臓器モデルは医師の手技を高める目的に用いられるため、臓器の形状だけでなく、質感・手触りなどをより本物に忠実に再現したモデルが求められるのは当然といえよう。しかし、まだ一部の臓器でしか臓器モデルを使った手術支援が保険適用になっておらず、保険点数が低いことが臨床現場での普及の遅れにつながっている。医療機関や大学はもとより、医大生が練習用に個人で3D臓器モデルを購入する場合など、より利用しやすくするための施策が行政にも求められている。
(長田龍馬)

【写真説明】クロスエフェクトの心臓2色モデル


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.