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2014年12月26日 前へ 前へ次へ 次へ

アジア化学産業2014回顧 中国 高付加価値領域投資鮮明に

 中国は経済成長が鈍化傾向にあるなかでも、付加価値が高い製品の市場拡大が見込めることから、世界の化学企業にとって最重要市場としての存在感に揺るぎはない。今年も欧米勢の積極姿勢が目立った。

 バイエル マテリアルサイエンス(BMS)は3月、上海でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)年産5万トン設備の建設を開始した。完成すれば既存設備と合わせて上海拠点の総能力は同8万トンに拡大する。
 インビスタも同月、上海でヘキサメチレンジアミンおよびナイロン樹脂の生産拠点の建設を開始した。将来的にアジポニトリル生産設備の構築も視野に入れており、一連の総投資額は同社過去最大となる10億ドルを見込む。
 BASFは1月、広東省で中国石化(SINOPEC)との合弁によるイソノナノール生産設備建設を開始した。両社は南京(江蘇省)の揚子石化-BASF有限責任公司(BASF-YPC)で今春、ネオペンチルグリコール新設を決めるなど連携を一段と強めている。BASF自体も機能性樹脂や塗料、触媒をはじめとした各事業領域で中国における基盤を拡充している。
 14年の中国における日系化学企業の動向は、従来のような輸出を念頭に置いた大型投資から、中国内需の取り込みを目指す中小型の投資へのシフトが一段と鮮明になってきた。その代表例が食品包装材料。住友ベークライトや電気化学工業のように、これまで日本からの輸入に頼っていた製品を現地で供給できるように相次ぎ新設備を完工・稼働している。中国でも食の安全・安心への関心が高まりをみせるなか、そのニーズを汲み取ろうと努めている。
 全般的な流れを眺めると、利益はともかく域内経済総生産(GDP)の伸びに合わせて増収を確保した会社が多いようだ。牽引役は2ケタ成長を続けている自動車向け。年後半の日系完成車メーカーの失速にともない、苦戦を強いられたメーカーも少なくない。また医薬品や医療機器、化粧品、トイレタリーといった生活に密着した製品を扱う会社はおしなべて安定した業績にある。投資も堅調に推移し、案件そのものが落ち込みをみせるなかでも「比較的良かった」(設備メーカー)という。
 一方、日系メーカーが得意とする高機能品・高付加価値品に興味を示す中国系企業が増えてきており、ここに照準を絞る取り組みも活発化しつつある。中国系企業といえば何よりも値段を重んじる姿勢だったが、ここにきて中国で営業の一線に立つ駐在員からは「機能に価値を見いだせば、それなりの対価を払うようになってきた」との声が聞こえてくるようになっている。とくにスマートフォンでアップル、サムスンの2強に迫る勢いをみせる中国民族系通信機器メーカーの華為技術や小米科技は「日本の最先端部材を使おうとする動きが顕著」(専門商社)になっている。
 沿岸部を中心に所得水準の向上した中国人の目が肥え、かつての"安かろう悪かろう"では満足しなくなってきていることが背景にはあるようだ。半導体材料などにとどまらず、その恩恵は高機能型の樹脂や塗料にまで広がりつつある。この1年間で急速に進行した元高円安も追い風で、日系企業の手掛ける素材や部材を"味見"しようとする傾向に拍車をかけている。エレクトロニクスだけでなく、競合との差別化にもがく中国民族系自動車メーカーも同様。低環境負荷をはじめ付加価値の高い部材・素材に関心を寄せるようになっている。
 習近平政権が経済の量から質への転換を促す"新常態"を掲げるなか、日系企業にとっても商機は広がってくるはずだ。しかし、欧米の競合はもとより中国系化学メーカーも実力を高めていることを加味すれば、技術サービス(TS)拡充はもとより、研究開発(R&D)にまで踏み込んだ市場に見合った体制の確立がいよいよ求められる。
(上海=白石孝祐)

【写真説明】揚子石化-BASFは4月、SAP年産6万トン設備の稼働を開始した


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