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2014年09月22日 前へ 前へ次へ 次へ

欧米系 止まぬ脱化学の動き バイエルはライフサイエンスに集中

22日付1面グラフ.jpg バイエルが同社の売り上げの約30%を稼ぎ出してきた素材科学事業、バイエルマテリアルサイエンス(BMS)の分離・独立を発表した。医農薬を中心とするライフサイエンス部門との収益率の違いからくる事業としての魅力の差を背景に、これまで何度も観測気球が飛ばされたが、今回は推測にとどまらなかった。同社はこれで捻出される100億ドルを超える資金を医農薬分野に注ぎ込む。米メルクの事業買収により一般用医薬品(OTC)で業界トップの座の獲得を狙うなど、バイエルはヘルスケア、農業科学分野に特化する。デュポンによる酸化チタンを含む機能化学品事業の分離独立、ダウ・ケミカルによる塩素事業からの撤退に代表される脱汎用化学の動きは、欧州にも及んできた。共通するのは、いずれも世界的なポジションを持つ事業の切り離しだ。主力のポリカーボネート樹脂、ウレタンは世界1、2位のポジションにある。欧米の化学系コングロマリットの事業再編の動きは一段とギアアップしている。
 「その質問には1000回答えたが、また答える」。バイエルのマライン・デッカーズ社長が2011年2月、ドイツ本社で行われた通年業績会見で、「BMSを売却したり分離したりする考えを持っているか」との質問に答える冒頭のコメントだ。デッカーズ社長は、医農薬と素材化学の3本柱の体制の利点、素材化学へのこれまでの投資を説明し、BMSをスピンオフする考えは持っていないことを強調した。そして、補完的に「極めて魅力的な買収案件があり、その具体化への資金作りが必要な時という仮定の話までは否定しない」と語った。
 それから3年半。その回答の補完的答えが具体化する。直接の要因は、バイエルが世界に強力な事業ポジションを持つコンシューマーヘルスケア事業の強化の一環として、計画している米メルクのOTC薬の買収の資金作りという見方は、これまでデッカーズ社長が繰り返してきた発言とも一貫する。
 デッカーズ社長は先週木曜日(現地時間)の記者会見で「マテリアルサイエンス事業を切り離し、純粋なライフサイエンス・プレーヤーへと変革する」と述べ、今後は医薬品などのバイエル ヘルスケア、農薬のバイエル クロップサイエンスの事業に専念していく方針を明らかにした。
 化学品市場は競合企業の増加、設備投資の負担増、米国のシェールガスブームにより産業構造が大きく変化し、今後も厳しい市場環境が予想される。医薬事業と並んで継続的な大型投資が必要だが、「グループのなかでライフサイエンスが極めて優勢になり、マテリアルサイエンスがわれわれのトップアジェンダにならなくなってきた」(デッカーズ社長)。昨年の業績では、ライフサイエンス分野がグループ売上高の約7割、EBITDA(金利・税・減価償却費計上前利益)の9割近くを占め、素材部門の存在感は低下している。
 BMSは新規株式公開(IPO)か、既存株主に株式譲渡するスピンアウトにより分社化する予定。来年にかけて分社後の事業体制や財務的・法的手続きの準備を進め、16年上半期までに新会社として上場させる計画だ。上場までに他社からの買収提案があれば検討する可能性もあるとしている。
 分社後のBMSは、昨年の業績ベースで売上高113億ユーロ(約1・6兆円)、EBITDAマージン9・1%の規模になり、化学品メーカーとして欧州4番手に位置する見込みという。少なくとも向こう数年間は現在の事業規模を維持するとしている。
 素材事業のスピンアウトに踏み切った背景には、好調なライフサイエンス事業の成長がある。医療用医薬品は抗凝固薬「イグザレルト」、眼科疾患治療薬「アイリーア」など新薬5製品の市場導入に成功し、グループの業績を牽引。業界トップを目指しているOTC事業も先ごろ米メルクの同事業を獲得して規模はさらに拡大した。数年前はシェアを奪われていた農薬事業も事業戦略の見直しが奏功して成長路線を回復している。
(松岡克守、赤羽環希)


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