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2014年09月05日 前へ 前へ次へ 次へ

半導体復権は人材と生産設備活用で

 スマートフォンや高性能サーバー向けに大型投資が目立つ世界の半導体業界にあって、わが国の半導体大手は未だにリストラの真っ最中と、彼我の差が一段と広がっている。しかも復権のカギを握るのが外資の支援というのでは先行きに不安が残る。国内に眠る多様な人材と生産設備をいかに生かすか、足元から見つめ直したい。
 台湾の中堅半導体受託生産会社であるUMCは先月末、富士通の半導体子会社(FSL)が設立する新会社に50億円を出資すると発表。実際には先端プロセスのライセンスフィーと相殺して、ほぼゼロ出資。それでもFSLにとっては世界市場に通用する先端技術を入手できるメリットがある。最先端技術を誇り、韓国や台湾勢に技術指導を行っていたのは今は昔である。
 経営再建中のルネサスエレクトロニクスは、最先端マイコンの生産を台湾の半導体受託生産最大手であるTSMCに委ねる。FSLもルネサスも自前で最新工場をつくるだけの技術力、資金力を失っている。設計と生産の分離という世界の潮流に乗り遅れたつけが回っている。
 リーマン・ショックとその後の円高も、日本の半導体業界の体力を奪った。高い電気代、人件費、税負担などの悪条件で資金繰りの悪化したエルピーダメモリは、米社に600億円で買収された。そのエルピーダは買収された後、スマートフォン向けモバイルDRAMの販売が急増して、1000億円以上の営業利益を稼ぎ出す高収益会社に生まれ変わった。「あと1年、銀行が待ってくれたら日本経済にも貢献できた」と悔やむ声もあるが、変化の激しいエレクトロニクス業界の先行きは誰にも読めない。
 こうした状況下、半導体産業がいかに復権を果たすか。日本ならではの強みを活用するしかない。世界をリードする自動車、なかでも電気自動車などのエコカーは日本がダントツの販売実績をもつ。低消費電力型電気製品のほか太陽電池、リチウムイオン2次電池といった新エネルギー技術も得意分野である。これらの成長製品にはさまざまの種類の半導体が搭載されており、おう盛な需要がある。
 経営の選択と集中に遅れた日本企業は、多様な人材と半導体工場を抱える。見方を変えれば新たな製品へ対応する豊富なリソースが残っているとも言える。シリコンウエハーやレジスト、研磨剤、エッチング装置、露光機など半導体製造に必要な部材や装置をすべて国内で揃えられる世界でも希有な国でもある。持てるリソースとユーザーニーズをすり合わせていけば、日本ならではのビジネスモデルが構築できるはずだ。


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