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2014年08月04日 前へ 前へ次へ 次へ

日揮 佐藤雅之新会長に聞く 1兆円が次のターゲット

案件大型化 リスク念頭に

 日揮は、北米など同社にとって処女地に進出し、事業領域も炭化水素案件にとどまらず社会インフラなど多様な分野で展開する。6月27日付で就任した佐藤雅之会長に日揮グループが目指す方向を聞いた。
  ◇  ◇  ◇
-会長としてグループをどのように引っ張っていきますか。
「組織を束ねるとは結局、人の問題。プロジェクトを円滑に遂行するには組織全体が有機的に動いていなくてはならない。仕事が高度化すると、自分の専門分野に閉じこもりがちだが、人間が本来持っている第六感も働かせて、自分の周囲の仕事の進み方にも気を配らなくてはならない。私は財務の経験が長いが、数値を通して気づいたことを営業やプロジェクト部隊に提案したこともある。このような組織になって、優れたコントラクターとして評価される」
-事業環境をどう認識していますか。
「LNGプロジェクトが活況を呈しているが、1件当たり1兆円を超えるほど大型化し、寒冷地など困難な立地でのプロジェクトも多くなっている。モジュール工法など、より高度なマネジメント、技術が必要になっている。中東案件で主流だったランプサム・ターンキー(定額・一括請負)契約ではリスクが大きすぎ、北米のプロジェクトではコストレインバース(実費償還)契約の割合を大きくするなどの対応をとっている。(経営指標として重視している)粗利益率は低下するだろうが、複数の大型案件を計画通り遂行すれば、利益の絶対額は大きくなる。これまでとは考え方を変える必要がある」
-案件が豊富な一方、地政学的リスクも高まっています。
「ロシア、イラクともに当社にとって重要市場と位置づけられる国で、豊富なプロジェクトが計画されている。両国とも現在は難しい状況にあるが、状況を注意深く見守っている。当社が活動する地域は地政学的リスクが大きいところが多いが、逆にいえば資源があるのでそうしたリスクが生まれるともいえる」
-前中期経営計画から取り組んでいる投資ビジネスの評価は。
「04年以来、累計で700億円を投資した。今中計目標の純利益60億円は難しそうだが、資源、水・電力、太陽光発電など徐々に利益貢献してきている。北米のシェールガス・オイルへの投資は、今後の資源開発案件受注にもつながるはずだ。現在はカンボジアの病院やミャンマーの空港など新しい分野の投資案件にも取り組んでいる。インドネシアでは低品位炭を液化し発電事業を実施すべく、実証を進めている」
-日揮の事業は地理的にも分野でも拡大する一方ですが、どのような将来像を描いていますか。
「EPCの請負といった受け身の仕事では限界がある。顧客のニーズを発掘し、その実現にはEPCもあれば事業投資もある、というのが基本的考え方。原点は、その国の発展に貢献する企業でありたいということだ。そのためには当社の規模はまだ小さいと感じている。グループ全体で約1万人の人員だが、北米や今後増えてくるアフリカでのプロジェクト遂行に向け海外のEPC拠点で増員している。必要なら新拠点も考える。M&Aの選択肢も排除しない。連結売上高1兆円が次のターゲットになるだろう」
(聞き手=加納修)


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