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2014年07月31日 前へ 前へ次へ 次へ

自動車部材 飛躍の好機 「エコカーを支える」14 EV用LiB2

加藤木 自動車連載4[1].JPG電極、進むプロセス改善
材料の最適組み合わせカギ

 部材の組み合わせ、すり合わせの妙により、さまざまな性能を具現化するリチウムイオン2次電池(LiB)。セパレーターに求められる最大の特性が「安全性」とするならば、電池性能を大きく左右する電極の開発トレンドは「高出力化」と「高容量化」に集約される。ただ、「一つの正極材で高出力と高容量の特性を実現することは無理がある」(住友化学の小川育三常務執行役員)。例えば、コバルト・マンガン・ニッケルを主成分とする現状の正極材レシピでは、「飛躍的な性能向上は見込めない」(LiB部材メーカー)という。新たな活物質開発の重要性はもちろんのこと、導電補助剤やバインダーなどの最適な組み合わせも電極性能向上の大きな要素となる。電極自体の性能を高めながら、製造プロセスの簡略化とコストダウンに貢献する材料提案が相次いでいる。

 LiB用電極は、アルミニウム箔(正極用)、銅箔(負極用)の集電体に活物質を塗布したもの。正極では導電性黒鉛や、活物質と集電体を結着させるフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)などが含まれている。
*コスト低減重視
 「価値を提供する一つの要素がコストダウンだ」。負極材料で高いシェアを持つクレハの小林豊社長が語る。同社の主力活物質はハードカーボン系。ただ、黒鉛系と比べ「約2倍の開きがある」コスト高が課題だ。そこで製造プロセスの改善や植物原料の負極材を取り揃えるなど、「コスト的に十分勝負できる」体制を整えつつある。
 電極を構成する個別材料のコストダウンはもちろんのこと、電極製造におけるプロセス改善を訴求するメーカーも目立つ。東洋インキグループのトーヨーカラーは、カーボンとバインダーを混合・分散した溶液「ワンショットワニス」の本格提案を開始した。同製品を適応することで、従来の粉カーボン製造法に比べ剥離強度が1・8倍となり、電極への密着性が改善。粉混合や固練りなどの製造工程が省略可能なため、分散工程時間では77%の削減効果が得られるという。
 また、日本黒鉛工業では、電極表面に起電物質を付着させる際、低抵抗化などを目的に下塗りする導電性塗料「プライマーコート」を訴求する。耐電解液特性や集電箔の腐食を軽減する耐食性などを武器に、銅箔向けとしての打ち出しを強化している。

*集電箔を差別化
 集電体箔の差別化も進んでいる。正極集電体用アルミニウム箔でシェアトップのUACJ製箔では高付加価値化を推進している。現在、高延性による薄肉化タイプを開発中だ。基材が薄くなれば活物質量の増加につながり、LiBの高容量化が可能になる。また、低コスト化に対する取り組みとしては表面改質タイプの上市を急ぐ。箔表面をクレーター化することでバインダー使用量の抑制を図る。
 負極用集電箔では新たな製品が誕生している。新日鉄住金マテリアルズは次世代負極活物質対応のステンレス箔を開発した。シリコン系やリチウム合金系といった新たな負極用活物質に期待が寄せられるが、充放電にともなう体積変化はカーボン系に比べ最大で4倍。電池内部で大きな応力が生じてしまう。このため高強度なステンレスを代替提案中だ。「本格的な供給は1〜2年先」としながらも、「電機メーカーを中心に評価を得ている」と手応えをみせている。
 電気自動車(EV)の普及が当初の想定に比べ遅れている現状では、大量生産による大幅なコストダウンは見込めない。しかも、革新的な活物質の適応も遅れているだけに、既存材料の最適化と製造プロセスの改善が新たな価値を生み出すことになる。

【写真説明】
LiB正極集電体用アルミニウム箔を製造するUACJ製箔。開発中の表面改質タイプはバインダー使用量の削減が可能となる


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.