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2013年04月30日 前へ 前へ次へ 次へ

壁の高く、厚いGDP神話

 米国政府が今年第3四半期から、国内総生産(GDP)の計算方法の見直しに踏み切るという。その主眼は、研究開発費や兵器への支出を資本形成として取り上げることにある▼GDPの計測方法は国連の統計委員会が基準を策定、各国はこれを受けてGDP値を算出する。現在の基準である「93SNA」は1993年に開発され、日本は2000年から導入している。今回の新基準「08SNA」は、グローバル化やIT、金融サービスの進展などを背景にしたものだ▼もっとも、GDPを国の唯一無二の成長指標とすることには、多くの異論もある。GNP(国民総生産)を開発した米国の経済学者、サイモン・クズネッツ自身が議会で「GNPでは国の豊かさをほとんど推し量れない」と証言しているほどだ▼90年代半ばには、GPI(真の進歩指標)が提案され、「持続的成長」と「人の幸福を増やす」という羅針盤が示された。ここでは、環境破壊や犯罪などはマイナス指標になる。しかし、"GDP神話"の壁は高く、厚い▼幾分落ちたとはいえ、中国のGDP成長は高水準だ。米国もシェール革命で勢いを取り戻している。失われた20年からの脱却を目指す日本は、「3本目の矢」の成長戦略論議がかしましい。変わり目の今、新しい成長についての冷静な論議があってもいい。


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