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2012年10月31日 前へ 前へ次へ 次へ

欧米化学の生産撤退が提起した課題

 四半世紀を超えるダウ・ケミカル衣浦工場(愛知県)が歴史を閉じる。世界規模のコスト削減策として、約20工場を閉鎖する一環だ。主力生産品目であるエポキシ樹脂は、独シュターデでの増産などグローバルな生産のなかで供給に影響を与えないとしているが、日本での象徴的事業拠点である衣浦工場の閉鎖は、多国籍企業にとって日本がモノ作り拠点として魅力を失っていることを示している。ダウ・ケミカルは東証に上場する数少ない外資系企業であり、衣浦工場はレスポンシブルケア活動、地域貢献などで高い評価を受けてきた。それだけに経済合理性は理解できても、ショッキングなニュースである。
 日本における生産見直しを行っているのはダウ・ケミカルだけではない。BASFはチバ買収によって得た磯原工場(茨城県)の主力生産品である酸化防止剤「イルガノックス1010」の生産をシンガポールに移管する。同工場は東日本大震災の被害を受け、製品を米国から輸入して凌いだという経緯がある。地震対策という見方もあるが、そうではない。同社では6年前にコスト競争力のあるシンガポール工場に生産を移管することを決定した。純粋に収益力に基づく判断だ。エボニックも四日市におけるモノシランガスの製造から撤退する。
 バブル崩壊以降、欧米系化学企業は本国から派遣する社員を減らし、事務所の移転、日本人社長の登用など日本での事業コストの削減策を次々と打ち出してきた。
 だが、「メードインジャパンはBASFにとって財産。安全・安心で高品質のエクセレントな製品は日本のトレードマークであり、ブランド」というBASFアジア太平洋のサオリ・デュボーグ社長のコメントが示すように、生産は維持してきた。リーマン・ショック後に欧米化学の世界的な生産体制の再編成のなかでも日本での生産活動に大きな変化はなかった。
 だが、エネルギーコスト上昇、超円高などによる日本のハンディキャップは、欧米化学企業にとっては収益の足を引っ張るだけのものになりつつある。来るべきものが来たというのが、現在の多国籍化学企業の日本での生産活動の現状だ。
 日本はモノ作りに向かないと、欧米化学企業から突きつけられた評価を日本政府はどう受け止めているのか。化学製品は東日本大震災で寸断されたサプライチェーンが示したように、経済活動や日常生活に不可欠である。その競争力が低下し、生産が海外へ移ることのリスクは大きい。揺らぐ日本のモノ作り競争力を取り戻すために、政策を総動員すべき時期である。


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