2015年10月の記事を読む
2015年9月の記事を読む
2015年8月の記事を読む
2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
「スパコンが切り開く未来の創薬」 1回目
次世代スーパーコンピューター(スパコン)「京」の供用開始が目前に迫ってきた。京以外でも国立大学が運用するスパコン、産業向けの入門用スパコンなど、さまざまな高速計算システムが既に実用化されている。製薬企業もこの最先端技術の利用に食指を動かしており、一部の企業はスパコン運用機関との共同研究も進めている。スパコンが医薬品開発にもたらすのは、速さか、正確さか。新薬枯渇を嘆く製薬企業を「夢の新薬」へと導くか---スパコン創薬に取り組む国内製薬企業の動向を追った。
◆◆◆
「製薬企業とアカデミアがオープンな場で共同研究をすれば、日本全体の創薬力は深まる」
東京工業大学・学術国際情報センターの関嶋政和准教授らは、アステラス製薬と熱帯病の創薬研究を始める。リーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病など顧みられない熱帯病(NTD)を対象領域とし、治療薬候補となるシード探索を行う。探索には東工大が運用するスパコン「TSUBAME2・0」を活用。向こう半年間は特許や文献などの公開情報をもとに疾患に関するデータマイニングを行い、既存の化合物でインシリコ・スクリーニングを実施する計画だ。
関嶋准教授は今回の共同研究について「あらゆることをオープンに進めていくので、そのなかで思いがけぬ発見もあるのでは」と期待を示す。がんや生活習慣病などの治療薬開発は、製薬企業の命綱である特許が絡むため、オープンな研究開発は難しい。NTDの多くは特許争いなどがなく、世界でも治療薬が存在しないアンメットニーズの極めて高い領域だ。海外ではNTD領域で多くの共同研究が進められており、関嶋准教授は「オープンな場だからこそ、できることがある。本当に面白いと思う技術はこういうところから来ていると思う」と話す。
関嶋准教授らとアステラス製薬は、今年3月までの2年間、IT創薬における新規計算技術の開発とプログラムの高速化を目的とする共同研究を行ってきた。アステラス製薬研究本部の折田正弥氏は、「この2年間で感じたのはスパコンの素晴らしさだけでなく、最先端の研究を行う人々とのコミュニケーションを通して計算科学の知識や経験を得ることができた」とコメント。先の研究を助走期間とし、東工大と築いた協力関係を一層深めるとともに、TSUBAMEスパコンの実用性をさらに検証していく考えだ。
東工大は「みんなのスパコン」というキャッチフレーズのもと、幅広い研究分野、ユーザーにTSUBAMEを提供する方針を明確にしている。関嶋准教授は、「製薬業界のような高度に知識化されている業界とスパコンの相性は良いはず」とし、アステラス製薬との共同研究が今後の「試金石」になるとみている。ただ関嶋准教授は、「スパコンを導入すれば夢のようなことが何でも起きるわけではない」とし、「『京』か、『TSUBAME』かは問題ではない。入れ物(スパコン)ではなく、コンテンツ(研究テーマやコミュニケーションなど)が重要。本当にスパコン創薬の実現を目指すなら、こうした中身の土台が大事になる」と語った。
(続く)
【写真説明】 関嶋准教授と折田室長