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2011年09月30日 前へ 前へ次へ 次へ

課題に挑戦して新規冷媒の開発を

 オゾン層保護から地球温暖化対策に軸足を移した新規冷媒の開発、普及に向けた取り組みは経済性や安全性などの制約が立ちはだかっている。モントリオール議定書に基づくクロロフルオロカーボン(CFC)の全廃に続いて、その代替物質のハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)でも、日本は世界に先行して削減を進めた。HCFCを代替して生産を増やしてきたハイドロフルオロカーボン(HFC)は、オゾン層は破壊しないものの、地球温暖化係数が高いという弱点を抱えている。HFCの用途のなかで断熱材、エアゾール、洗浄剤・溶剤分野の物質代替は進んでいるが、カーエアコンや冷凍空調向け冷媒の実用化にこれからである。
 HFCのほかパーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)は代替フロン3ガスを呼ばれ、京都議定書による温室効果ガスになっている。日本の2009年排出量約12億トンのなかで3ガス合計は1・8%にとどまり、半導体などの製造ラインで使用するPFCとSF6は使用削減や代替物質への転換で、今後大きく増加しない。これに対して20年のHFC排出量は08年比2・9倍となる可能性が指摘されている。
 このため、代替フロン3ガス対策はHFC排出をいかに削減するかに絞られ、とりわけ冷媒対策がターゲットになる。HFCは経済性や安全性などに優れ、業務用冷凍空調、家庭用エアコン、カーエアコンの主力冷媒になっている。裏を返せば、低価格ゆえに使用時に漏れても簡単に補充できるうえ、機器の使用済み後に手間をかけて回収するというインセンティブが働きにくい構造にある。
 経産省、環境省ではHFC排出量削減対策として、漏えい防止と回収破壊を重点的に推進する方針。フロン回収・破壊法の改正による規制強化も検討されているが、実効性に関して疑問の声も多い。
 本質的な対策はHFCを代替できる新冷媒の開発、実用化である。家庭用冷蔵庫はイソブタンに転換したが、それに続いて実用化が進んでいるのがカーエアコンである。欧米ではハイドロフルオロオレフィン(HFO)1234yfがカーエアコン冷媒に採用される方向にある。ただ可燃性物質であり、わが国では高圧ガス保安法の改正が必要になる。
 家庭用エアコン、業務用の冷凍空調機器に関しては暗中模索の段階といえそうだ。温暖化係数はほぼゼロであるアンモニア、プロパン、CO2など自然冷媒、HFO1234yfをベースにした混合冷媒など候補物質は多いものの、それぞれクリアすべき課題を残している。


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