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2011年08月31日 前へ 前へ次へ 次へ

不安抱えながらも好調続く欧米化学

 欧米化学企業の業績が好調に推移している。第2四半期はダウ・ケミカルの売上高が四半期ベースでは過去2番目の高水準を記録、純利益は前年同期を73・5%上回った。欧州勢も好調を持続、BASFは前年同期比約14%の増収を達成した。
 このほかデュポンの売上高は前年同期比19%増の102億6400万ドル、純利益は5%増の12億1800万ドル。バイエルは売上高が同じく約1%増の92億5200万ユーロ、純利益は41%増の7億4700万ユーロになった。BASFは通年で特別項目計上前のEBIT(金利・税引前利益)が前年実績を大きく上回ると見込むなど、2011年は良好な業績を残すと見込む企業が相次いでいる。
 こうした見通しを裏付けるデータも少なくない。欧州化学工業団体協議会(CEFIC)は、11年の欧州連合(EU)の化学品セクターの成長率が4・5%に達すると予測している。10年11月に策定した2・5%成長を上方修正したもので、EUにおける生産量は07年の水準には達しないものの、12年央に向けて経済危機前の水準に近づくと見込んでいる。
 しかし、欧米の経済はより困難な情勢に転じている。好調なドイツでさえ4?6月期の国内総生産(GDP)は前期比0・1%の成長にとどまった。米国も予想を下回る成長となり、深刻な財政問題とともに先行きに不安が広がっている。
 欧米の化学企業は成長を続けるため以前から新興市場で投資を続けている。バイエルは5年間でグレーターチャイナの売上高を50億ユーロに引き上げる方針を10年末に掲げた。目標達成に向けて10億ユーロ規模の投資を打ち出しており、上海でポリカーボネート(PC)樹脂やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の新増設などを進める。
 BASFも重慶にMDIの大型プラントを新設する。このほかデュポンが上海に「デュポン オートモーティブセンター」を立ち上げ、自動車メーカーに対して設計から応用開発まで一貫したサービスを提供していく体制を整えた。
 ダウ・ケミカルはタイのマプタプットと独シュコパで太陽光発電用特殊フィルムを生産することを決めほか、サウジアラビアで石油化学プロジェクトの具体化に乗り出す。
 ただ、新興国経済にも不透明感が漂っている、中国ではインフレ抑制のための金融引き締めによる影響が化学産業にも広がっている。現地企業のなかには資金不足に陥る会社もあり、化学品需要にも影響が出始めている。良好な業績を見込む欧米化学企業にとっても、難しい舵取りを迫られそうだ。


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