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2011年06月30日 前へ 前へ次へ 次へ

明日への対話 連載9 KAITEKI化学がめざすもの

 快適化学の本.jpg 橘川 KAITEKI化学の話に移ります。まず同じタイトルの本を出版されましたが、そもそも書かれた理由は。
 小林 2010年の12月8日に中期経営計画(APTSIS15)を発表しました。単なる中計の発表だと、アナリストやエコノミストに本当の哲学が伝わらないと思いまして、発表に合わせて本を書くしかないと。
 橘川 経営計画と連動して書かれた。
 小林 連動させたかったんです。ここに表現される基本的な考え方を知ってほしかったんですよ。メディアやアナリストにいわれますよね、儲からないとか資本効率が悪いとか、総合化学会社は何でもかんでもやりすぎているとかね。今、この経営者は何を考えているのかということい言わないと、なんか一方的過ぎるんじゃないかと。
 橘川 いつから準備を始めたのですか。
 小林 布石は09年4月に三菱化学生命科学研究所をクローズし、地球快適化インスティテュートを設立したことです。年間30億円を使っていた研究所を閉めたので、10億円か20億円で自分なりの研究所を作りたいと。それも単なるテクノロジーではなく、今から30年、50年先の時代はどこへ行くのか、それに対して当社あるいは化学産業はどのような貢献ができるのかという。外の機関ではない自前のシンクタンクです。ちょうど1年半やってきて、その成果も含めて本に書きたかった。
 橘川 地球快適化インスティテュートはこれまでにない研究所ですね。
小林 かつて企業の研究開発において、お金だけ出して丸投げして「良いものを出せ」という経営者がいました。そういう時代はもう終わったんじゃないかなと。一方、アメリカ流というのか、株主のフェアネスの代表として社外取締役を多数入れた委員会等設置会社というのがあります。あるいは会計士さんとか弁護士さんを入れて社外取締役、社外監査役制度というのをやっている会社もあります。そのレベルではいいんですが、アリバイ工作のように1人か2人の社外取締役を入れてもなんぼのもんやと。僕自身は、これはおかしいと。であれば、どういうシステムが当社にとってよいのかということで出てきたのが、2年前の地球快適化インスティテュートなんです。ここでのアドバイザリーボード(7人の社外の有識者で構成)の考え方を当社の取締役会に反映させたいと思ったのです。
 橘川 本では相当いろいろな方とお話しされている。しかもジャンルも多岐にわたってますよね。
 小林 ええ。ライフサイエンスとグリーンサイエンスをベースにして、メインは地球快適化インスティテュートのメンバーに調べさせました。編・著者として、基本的な考え方のところは僕がコミットしました。(つづく)
【写真説明】
中期経営計画の発表と時期を同じくして出版された「KAITEKI化学」


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