プラスチックの混練・成形・加工の試験・評価企業であるDJKは、名古屋市の研究開発拠点を軸に自動車部品などの材料開発に対応できる評価体制を強化する。その一環として超臨界発泡成形機を導入し、軽量化が進む自動車の内外装部品成形加工の評価機能を整えた。発泡樹脂は電動化の進展を背景に吸・遮音や断・遮熱といった機能付加の観点からも開発が活発化している。同社は今後も高速引っ張り試験や疲労試験などの新設備の導入、研究人員の増強などにより試験、評価能力を強化していく。

 サムテック(大阪府柏原市)は、水素ステーション用蓄圧器の高性能化を推進する。アルミ合金ライナー・炭素繊維複合材料(CFRP)(タイプ3)蓄圧器で新たに7000系合金ライナーの開発を目指し、常用圧力94メガパスカル・保証サイクル回数10万回を目標性能に2019年度の製品化を計画する。容器重量もライナー素材の高強度化により10%以上軽量化を図る考えであり、タイプ4蓄圧器の口金部品や水素トレーラー用蓄圧器への展開を視野に入れる。

 東北大学と日本軽金属は、高成形材料として期待されるアルミ(Al)カルシウム(Ca)合金のヤング率(たわみ剛性)が加工・熱処理で変化するメカニズムの解明に成功した。X線解析装置を用いて熱間・冷間加工前後、熱処理前後でAl4Caの結晶構造が可逆的に変化(マルテンサイト変態)することを確認した。研究成果をベースにヤング率の制御を可能としたほか、鉄の添加により強度向上を実現することでAlCa合金の実用化にめどをつけた。両者は高寸法精度が要求される電子機器など向けに開発を推進する。

 八千代工業は、新たに常用圧力82メガパスカルの水素ステーション用蓄圧器を開発した。炭素繊維を用いた樹脂ライナーコンポジット容器(タイプ4)の試作品は、外径400ミリメートル×1200ミリメートル(容量70リットル)で設計圧力105メガパスカルを確保する。同技術により最大外径700ミリメートル×全長最大5000ミリメートル(容量500リットル以下)までの製造が可能であり、実用化に向けて大型品による性能評価に取り組む計画。車載用タンクの開発も進めており、新規事業領域として早期実用化を目指す。

 日本精工は、自動車の変速機に使用する円すいころ軸受けの低フリクション化を推進する。新たにころ頭部と内輪大つば部の表面粗さを改善することで、回転で生じるすべり摩擦を従来に比べ低速回転域で最大60%、全回転速度平均で20%低減することに成功した。開発品は寸法・形状などの設計変更を必要とせず、低粘度な潤滑油の使用環境における低フリクション効果が大きいのが特徴。同社は第6世代低フリクション円すい転軸受けとして2018年の量産開始を目指す。

 トヨタ自動車は、中心部と周辺部で断面積が異なるセルを一体成形した排出ガス浄化用の触媒基材を開発した。断面積比率の最適化により触媒内部の排出ガスの流れをこれまで以上に均一にすることに成功。この結果、従来基材と同等の排出ガス浄化性能を維持しながら貴金属使用量を約20%低減するとともに、触媒容量を約20%小型化できる。同社は開発基材を用いた新型触媒を商品化し、今春発売予定のレクサス「LC500h」を皮切りに順次搭載していく。

 神戸製鋼所は、プレス生産性に優れたホットスタンプ用冷延鋼板(焼入れ後強度1470メガパスカル級)を開発した。新製品は鋼板成分の改良により焼入れ性を大幅に向上することで、従来比2?4倍程度のプレス生産性と冷却ムラによる強度不足の抑制を実現した。すでにトヨタ自動車・プリウスのボディ骨格部品向けに量産を開始している。

 山陽特殊製鋼は、コマツおよび大阪大学と共同で高硬度かつ高靱性な鋼材製造技術を開発した。新鋼材成分の開発とそれに適した熱処理技術の確立により、炭素を0・7%程度以上含有する鋼(過共析鋼)の硬度と靭性バランスの飛躍的向上に成功した。硬さと靱性という相反する鋼材特性を高次元で両立したことで、鉄鋼部品の小型・軽量化による輸送機器などの大幅な省エネ・排出ガス削減などが期待される。

 八千代工業は、樹脂製燃料タンクの低エミッション化を推進する。炭化水素(HC)透過規制の強化や燃料タンクの高性能・複雑形状化ニーズに対応するため、機能部品内蔵技術の導入による生産プロセスの高度化を図る。昨年のウェルテッドインナーバックル(WIB)技術の量産適用に続いて、今春からビルトインフューエルタンクシステム(BFS)技術による量産化に乗り出す。いずれもHC透過量の抑制効果があり、同社は製造技術の高度化を通じて同市場における優位性を確保していく。

 日新製鋼は、熱可塑性樹脂との優れた直接接合性を実現した特殊表面改質鋼板(商品名・プラタイト)の事業化に乗り出す。熱圧着もしくは射出成形による一体化が可能で、同機能を有する鋼板の商品化は業界初。同社が展開するメッキ鋼板およびステンレス鋼板のなかから基材を選択することができ、採用により接合にかかわる部品数や工程数を削減できる。自動車をはじめ電機、通信業界を中心にマルチマテリアル化が進展しており、同社は幅広い分野に向け性能を訴求していく。

 新日鉄住金と九州大学大学院工学研究院は、高張力鋼板(ハイテン)の一種である複合組織(DP)鋼の破壊メカニズムの解明に成功した。大型シンクロトロン放射光施設「SPring-8」での4D観察により、遅れて生じるマルテンサイトの空隙が急成長して連結することで鋼板自体が破壊されることを確認した。DP鋼は自動車用鋼板として採用が拡大しており、解明した破壊メカニズムをベースに鉄鋼材料の高性能化が期待される。

 ブリヂストンが天然ゴム代替を可能とするポリイソプレンゴム(IR)の新重合技術を開発した。独自のガドリニウム(Gd)触媒により、天然ゴムに匹敵する分子ミクロ構造の規則性(シス率99・9%)の実現と求めるゴム特性に応じて分子量を均一かつ任意に制御することに成功。得られるIRは天然ゴムをしのぐ物性を有し、タイヤ材料として耐破壊物性と低燃費性能で天然ゴムを用いた従来材を上回ることを確認した。開発した新触媒は毎分1800個の高活性を有するほか、バイオマス由来のイソプレンを使用することができる。2020年代の実現を目指す実用化の取り組みでは、「社外のパートナーと一緒にやっていくことになると思う」(同社)。

 アルミダイカストメーカーのアーレスティは、高真空ダイカスト(HiGF)法をベースにアルミダイカスト部品と異種材の複合化を推進する。熱処理(T7処理)により伸びや0・2%耐力を改善できる特徴を生かし、リベット締結による鋼板や樹脂板などとの接合を提案する。同製法は大型薄肉部品への適用が可能で、シャーシ部品やボディ部品、電気自動車(EV)/燃料電池自動車(FCV)ケース部品といった用途へ適用していく考え。新車開発のマルチマテリアル化が進むなか、同社は複合化による新たな可能性を訴求しアルミダイカスト部品の適用拡大に取り組んでいく。

 日本精工は、自動車用トランスミッションの小型・高効率化を可能とするニードルローラーを開発した。独自の特殊加工によりローラーの表面硬度を高めることで小型化による軸受け耐久性の低下に対応。また、潤滑油の低粘度化や油量減少に対し、ローラー表層部分に油溜まりとなる微細な凹部(ディンプル)を新たに形成し油膜保持性を高めた。既存の特殊熱処理品に比べて2倍以上の高耐久性を実現しており、これを採用した軸受けは自動車の燃費向上に寄与する。すでにサンプルワークを開始しており2020年に年間25億円の売り上げを目指す。

 愛知製鋼は、自動車部品の高性能化を目的に鍛造技術の研究開発を加速する。新たに約6億円を投じて実験工場(東海市荒尾町)内に研究開発用サーボ式プレスを導入する。サーボ式プレスは熱間鍛造分野における次世代技術であり、従来の熱間鍛造では対応できない複雑な形状に対応できるのが特徴。

 JFEスチールは自動車部品に使用されるハイテン(高張力鋼板)の高強度化を推進する。常温でプレスする冷間加工による自動車部品の強度で、世界最高となる1470メガパスカル級ハイテンによるバンパーレインフォースメントを実用化した。これまでの980メガパスカル級ハイテンを大幅に上回る高強度化を実現するとともに、鋼板を高温に加熱してプレスするホットプレス工法の生産性および製造コストの課題をクリアした。今後、同社ではドアインパクトビームや骨格部品など高強度が求められる他の自動車部品への展開を目指す。

 東洋ゴム工業がタイヤ性能のさらなる向上を可能とする独自の材料開発技術を確立した。基盤技術として、ゴム材料の粘弾性を短時間で定量化するシミュレーション技術とタイヤが転がっている状態や凹凸で変形している状態でゴムの内部構造を観察する技術をナノ分子レベルで実用化した。新シミュレーション技術により車重の支持性能をはじめグリップ性能や振動吸収性などをナノレベルでコントロールできるほか、確立した動態観察技術により燃費性能の向上が可能だ。

 近年の新車開発では、ダウンサイジングターボ化や排出ガス清浄化を目的に排気経路が短縮され、排気温度は上昇傾向にある。そのため排気の漏洩を防ぐガスケットの使用環境が高温になり、ガスケット用鋼板にはより高い耐熱性が要求されている。新日鉄住金は高度な金属組織の制御技術により「排気ガスケット用高機能ステンレスばね鋼板」を開発した。600度C程度の高温環境でも実用的なバネ材料として使用可能とすることで、自動車の燃費向上や環境負荷低減に貢献している。

 住友ゴム工業は、天然ゴムの適用拡大に向けた基盤技術の拡充を推進する。新たにパラゴムノキの生合成機構を解明するとともに、天然ゴムの末端基構造を解析する技術を確立した。生合成機構に関する研究成果が植物体以外の天然ゴム生産で展開されることが期待できる一方、末端基構造の解析技術は天然ゴムの性能・特性をさらに向上する改質技術と注目される。いずれも現在開催されている「IRC 2016 Kitakyusyu(国際ゴム技術会議 北九州)」で発表した。

 住友ゴム工業は、新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を初めて採用した低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT?」を11月1日から発売する。同技術をベースに分子設計した「新フレキシブル結合剤」を採用することで、低燃費性能とグリップ性能を高次元で両立しながら、耐摩耗性能を従来品(エナセーブNEXT)に対し51%向上することに成功した。同社では、今後も同技術をベースに低燃費性・原材料・省資源の3つの方向性で商品開発に取り組んでいく。

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