米グッドイヤーは、タイヤ原材料として新たに大豆油の商業的利用に乗り出す。添加することで気温が変動するなかでもゴムコンパウンドの柔軟性を維持・強化し、タイヤにとって重要な路面グリップ性能を向上することに成功。また、大豆油を使用した場合にコンパウンド中のシリカ化合物との混合がより容易になることを明らかにした。同社では、大豆油の採用によりドライ/ウエット路面や冬季天候におけるタイヤ性能の強化を推進する。

 真壁技研(宮城県仙台市)は、アルミ合金鋳物の機械的性質を向上させる組織微細化剤を開発した。ガスアトマイズ法で製造した球状微細化剤(AlTi粒子)を放電プラズマ焼結でペレット化したもので、AC4A合金に対する評価試験で同微細化剤の添加により引っ張り強度、伸びともに約2倍の特性向上を確認ずみ。同時に量産に向けたパイロットプラントを開発しており、自動車などアルミ系部品の鋳造・ダイカストメーカーなどを対象にサンプル供給を開始し、量産プロセスにおける新組織微細化剤の有効性の確認などを進める計画。

 九州大学大学院工学研究院の堀田善治主幹教授の研究グループは、長野鍛工(長野市)と共同で航空機や自動車のエンジン部品などに使用されるニッケル基超耐熱合金(インコネル718)を高成形性に改質する実用化技術を開発した。開発ずみの高圧スライド加工技術(HPS法)と逐送法を組み合わせることで加工サイズを実用レベルにまで大きくすることに成功した。HPS法はチタン合金(F1295)にも適用できることが確認されており、今後は自動車、航空機、医療機器など幅広い市場で開発成果の適用が期待される。

 ダイハツ工業は、3Dプリンターを活用した鋳造用砂型の新製造方法を開発した。砂の表面に酸触媒などで2層コーティングする新技術の開発により、人工砂を用いながら常温での高速硬化を特徴とする「フラン自硬性プロセス」での造型に成功。これまで困難だった3Dプリンターによる鉄系部品の砂型製作と砂の100%リサイクルを実現可能とした。同社では今後も積極的な研究開発を進め、「技術の手の内化」を推進することでモノづくりの競争力向上を目指す。

 自動車業界における量産品の製造で使用する金型など、「型」管理の適正化に向けた取り組みが本格化する。経済産業省と中小企業庁が廃棄や保管料の支払い、マニュアル整備などの具体的な取り組み内容をアクションプランとして作成した。同プランは、自動車・素形材業界を中心に先行的にとりまとめたもので、?不要な型の廃棄?保管が必要な型の管理費用などの支払い明確化?型管理などルールの明文化および運用の徹底・見直しを基本方針とする。型廃棄については2019年3月末までの完遂を掲げており、業界団体などと連携して浸透・徹底に取り組んでいく方針。

 横浜ゴムは、乗用車用スタッドレスタイヤ向けに新ゴムコンパウンド「プレミアム吸水ゴム」を開発した。ゴムに配合した「新マイクロ吸水バルーン」の分散を均一化し、氷表面の水膜の吸水効果を向上。また、シリカの増量と均一分散を促進する「シリカ高反応ホワイトポリマー」の新規採用により氷上性能とウェット性能のレベルアップを実現したほか、スタッドレスタイヤ用に開発した「オレンジオイルS」により氷上性能を長持ちさせることに成功した。同社では、新コンパウンドを採用した新商品「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を9月1日に発売する。

 豊田合成は、世界各地域における車両の衝突安全アセスメント適合に貢献し、さまざまな車種に共通して搭載できる新型サイドエアバッグをトヨタ自動車と共同で開発した。これまでのサイドエアバッグは2つのバッグに分かれた構造だったが、新製品は3バッグ構造にすることで速い衝突速度に対しても瞬時に開き、効率よく衝撃を吸収するよう設計されている。すでに新型カムリに採用されており、他車種も含めて年間約250万台に搭載される予定。

 豊田合成は、LED(発光ダイオード)事業で自動車用ヘッドランプ用途への本格展開に乗り出した。新たに業界トップクラスの「明るさ」と「低消費電力」を実現したLED光源を開発し、国内ユーザーへの供給を開始した。新製品は窒化ガリウム(GaN)など結晶構造の改良とともに、光源内部の熱を放出しやすくするフリップチップを採用。約2300ルーメンの明るさを実現しているほか、一つの光源がロービームとハイビームを兼ねるバイファンクション式に対応する。

 愛知製鋼は、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など自動車の電動化を背景とした機構変化に対応した鍛造技術の研究開発を推進する。同社実験工場内(東海市荒尾町)で、国内鍛造品メーカーで初となる複動成形機構を内蔵したサーボ式プレスラインの導入を完了した。同社では材料・工法を組み合わせる「鍛鋼一貫」をベースにしたネットシェイプによる加工コストの大幅低減や、高強度化による小型・軽量化に取り組んできた。今後は導入設備をベースに次世代車における部品の高機能化ニーズに対応可能な革新的な工法開発を加速する。

 芝浦工業大学工学部材料工学科の芹沢愛准教授らの研究グループは、軽金属材料の高強度化と高耐食化を同時に実現する水蒸気プロセスを開発した。材料を高圧・中低温の水蒸気下にさらすもので、一般的にトレードオフ関係にある強度と耐食性を同時に向上できるプロセスは世界初。1工程で時効析出現象による強度アップと材料表面への被膜形成による耐食性付与を可能としており、アルミ合金を使った評価試験で孔食による電流密度を100分の1、硬さを2倍以上にできることを確認している。同研究グループでは自動車材料をはじめ熱交喚器、大型部材など向けに実用化を目指す。

 世界的に強まる燃費規制を背景に、新車開発の現場ではマルチマテリアル化の取り組みが進展している。中期経営計画で成長戦略の一つに輸送機軽量化の取り組みを掲げる神戸製鋼所では、最先端の鉄鋼およびアルミ材料と溶接技術をベースにしたソリューション提案力の強化を推進。4月にはマルチマテリアル化技術に特化した自動車ソリューションセンターを設立し、鉄とアルミを有する唯一の素材メーカーとして世界市場におけるプレゼンス拡大を狙う。

 新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の高炉3社は、物質・材料研究機構を中核とするマテリアルズ・オープンプラットフォーム(MOP)に参画する。3社協調により構造材料の高性能化に資する基盤技術の強化を目指しており、協調領域を設定した水平連携による協働は業界初。6月30日のMOP運用に関する覚書の調印式で、橋本和仁物材機構理事長は「(金属材料技術研究所を母体とする)物材機構では鉄鋼分野に極めて力を入れてきたし、装置・人員を蓄積している。(同分野の競争力向上には)大きな責任を感じている」と述べた。

 岐阜プラスチック工業は3日、ポリプロピレン(PP)でできたハニカムコア材「テクセル」が自動車に初めて採用されたと発表した。林テレンプ(名古屋市)が手掛けるトノカバー(荷室・荷台にかけるカバー)の持ち手部分の芯材として用いられ、これがトヨタ自動車の新型プリウスPHVに採用された。テクセルを使うことで従来品に比べ約20%の軽量化につながることなどが評価された。

 日本ミシュランタイヤは、スタッドレスタイヤ向けに新ゴムコンパウンド「表面再生ゴム」を開発した。Mチップと呼ぶ添加剤を配合、摩耗によりタイヤ表面に露出したMチップが溶けることで路面水分を吸収する微細な穴を再生する。Mチップの配合により発泡ゴムのようなゴム内部の空洞がなく、ゴム剛性と長期にわたるアイスブレーキ性能を高次元で両立した。8月に発売する新商品「MICHELIN X?ICE3+(ミシュラン エックスアイス スリープラス)」では、新コンパウンドの採用により摩耗時のアイスブレーキング性能を前モデルに対し11・5%向上している。

 ニッパツは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製コイルばねを開発した。自動車懸架ばね用の開発品は「炭素繊維を樹脂でつないだ」(同社)構造をしており、材料置換により金属ばねに対して60%の重量軽減を実現している。また、熱硬化性樹脂の採用により耐熱性を確保することでエンジン近傍での使用が可能になる。今回、基本技術を確立したことから、同社は市場ニーズを見極めながら量産技術の開発に取り組んでいく。

 アキレスは、用途分野の拡大を狙いに反応射出成形(RIM)部材の高機能化を推進する。ジシクロペンタジエン(DCPD)をベース樹脂に異素材との複合化に関する研究開発に乗り出した。カーボンクロスとの一体成形部材の開発では樹脂単体品に比べて5?10倍の曲げ弾性率を可能とする。市場ニーズを見極めながら独自技術の開発・実用化に取り組む考え。

 日立金属は、電気自動車(EV)/ハイブリッド車(HEV)向け製品展開を加速する。グループ総合力を活用して他社との差異化を推進するもので、駆動モーター用コイル巻線では無酸素銅代替材料と開発した高機能純銅線(HiFC)と独自の被覆技術の組み合わせにより高機能・長寿命化を目指す。HiFCはEV/EHV用巻線材料として2018年からの量産を予定、積極的な取り組みにより今後の拡大が確実視される次世代環境車(xEV)需要を捕捉していく方針。

 神戸製鋼所は、独自開発した異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法」の本格提案に乗り出した。既存のアーク溶接装置による超高張力鋼板(ハイテン)とアルミの接合を可能とする溶接法。他の接合技術に対して優れた接合強度を有するほか、片側アクセスにより閉断面部材に適用できるといった利便性を実現している。車体軽量化ニーズの高まりを背景に自動車のアルミ化が世界的に進展しており、同社では優位性を訴求することで本格採用の早期実現を目指す。

 物質・材料研究機構と長岡技術科学大学の研究チームは、自動車の車体などに使用されるアルミニウム合金に匹敵する強度と成形性を有するマグネシウム合金圧延材を開発した。時効硬化型の新合金は、容体化処理により中強度のアルミ合金並みの室温成形性を実現するとともに、成形後の熱処理により最大応力300メガパスカル超を可能とする。安価な合金元素と一般的なアルミ合金の加工・熱処理プロセスにより実現しており、アルミをしのぐ軽量金属素材として実用化が期待される。

 ブリヂストンは、バス乗降時のバリアフリー化に寄与する新コンセプトタイヤを開発した。新タイヤはゴム自体の耐摩耗性向上に加え、繰り返し接触により摩耗したサイドゴムを交換可能したのが特徴。同時に開発ずみの「次世代正着縁石」も正着性のさらなる向上を実現した。今後、ユーザーと共同でバリアフリー実現に向けた検討を推進し、東京五輪が開催される2020年の実用化を目指す。

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