横浜ゴム、ゴム材料開発にMI、探索精度を大幅向上

| コメント(0) | トラックバック(0)

 横浜ゴムが新たにマテリアルズ・インフォマティクス(MI)によるゴム材料の開発技術を確立した。これまで独自に研究を進めてきたシミュレーション技術と実際のゴムを使った設計・加工、分析・計測の研究結果から得たデータを統合し、AI(機械学習)による情報・知識探査を導入した。新開発技術では粗視化分子動力学シミュレーションも新規導入しており、高機能なゴム開発の精度、スピードの飛躍的向上と、今までにない新たな開発アプローチの発想を得ることが期待できる。

 タイヤの性能には、ゴム材料となるポリマー(ゴム)とフィラー(カーボンブラックやシリカなどの微粒子)の分散状態や大きさ、分量といった複雑な微細構造が大きく影響する。国内タイヤ各社は、高性能なゴム材料の開発・実用化を目的に、微細構造に関する独自のシミュレーション技術の高度化に向けた取り組みを活発化。横浜ゴムでも2015年に開発した多目的設計探査シミュレーション技術により、すでに微細構造を設計因子とした広大な設計空間での仮想的なゴム材料のモデル化と、弾性率やエネルギーロスなど力学特性の予測シミュレーションを可能としている。
 MIは、AIなどの情報科学を活用して未知の材料の機能を推定し、新材料や代替材料を効率的に探索する手法。従来の材料探索が研究者の経験と直感に基づいて行われていたのに対し、それをはるかに上回る速度で合理的に求める特性を持つ材料を発見できる技術として、世界的に研究開発が活発化。日本では国家プロジェクトである「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」などで研究が進められているほか、米国や欧州、中国など世界的に国を挙げてのプロジェクトが推進されている。
 横浜ゴムが確立した新技術は、シミュレーションにより得られた膨大な設計因子と特性値のデータから、求める性能を実現するために重要となる微細構造の設計因子とその閾値(境目となる値)を、AIを活用した探索により客観的かつ定量的に短時間で導き出すことを可能とする。また、実際のゴム材料の設計・加工パラメーターや分析・計測で得られた結果を利用することで、材料探索の精度を大幅に向上し、材料開発に必要な試作工数を削減できる。
 新技術を活用した転がり抵抗が低く、摩耗しにくいという相反するゴム性能を目標とした検証試験では、フィラーの半径はある閾値より小さく、かつその界面に形成されるバウンドラバー層は、ある閾値より薄い方が好ましいという結果を得ることができた。また、粗視化分子動力学シミュレーションの結果、フィラーの半径が小さいと高弾性になり、バウンドラバーが薄いとエネルギーロスが小さくなるメカニズムの解明に成功している。
 今後、同社では新材料開発技術をベースに高性能ゴム材料の開発を加速することで、タイヤ製品の高機能・高付加価値化を推進していく。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://27.34.136.204/cmt/mt-tb.cgi/31489

コメントする

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.02

このブログ記事について

このページは、web staffが2017年10月24日 15:09に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「豊田合成、一体成形でラジエーターグリル大型化、レクサスLSに採用」です。

次のブログ記事は「日本精工・バリオリンク サスペンション(発見!イチ押し)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。