2017年10月アーカイブ

 住友ゴム工業は、「第45回東京モーターショー2017」で新たな技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT(スマート タイヤ コンセプト)」を発表した。安全性能と環境性能をより高い次元で両立することを目指し、安全を支えるセーフティーテクノロジーと環境に寄与するエナセーブテクノロジー、シミュレーションおよび解析技術からなるコアテクノロジーの3技術をベースとする。新コンセプトをベースに、2020年を目標に新品時の性能を長期間維持する「性能持続技術」を採用したタイヤの量産化と、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から商品ライフサイクル全体の環境性能向上を可能とする新材料を使ったコンセプトタイヤの実現を目指す。

 急速に進展する自動車のEV(電気自動車)化シフトを背景に、車体を構成する部品・システムについても、これまでにない発想で高機能化を目指した研究開発が活発化している。そうした状況のなか、日本精工では保有する高度なボールねじ技術とモーターの融合により、5本のアクチュエーターがまるで生き物のような自在な動きを実現する「バリオリンク サスペンション」を新たに開発した。サスペンションの最適なジオメトリを作り出すまったく新しいコーナーモジュールとして提案する。

 横浜ゴムが新たにマテリアルズ・インフォマティクス(MI)によるゴム材料の開発技術を確立した。これまで独自に研究を進めてきたシミュレーション技術と実際のゴムを使った設計・加工、分析・計測の研究結果から得たデータを統合し、AI(機械学習)による情報・知識探査を導入した。新開発技術では粗視化分子動力学シミュレーションも新規導入しており、高機能なゴム開発の精度、スピードの飛躍的向上と、今までにない新たな開発アプローチの発想を得ることが期待できる。

 豊田合成は、従来品よりサイズを拡大したメッシュ形状の「大型ラジエータグリル」を開発した。成形時の樹脂の流動シミュレーション技術などを用いて金型の構造を工夫することで、複雑なメッシュ部品の一体成形化に成功した。上下を組み合わせる付属部品が一体成形により不要となり、サイズを従来比約10%アップしつつ軽量化を実現している。すでに同製品はレクサス新型LSに採用されており、採用拡大を図っていく。

 豊田合成は、車内の静粛性向上と自動車側面のスタイリッシュな外観を実現する「新構造ガラスラン」を開発した。製品設計の工夫により断面形状を変更し、ガラス面とセンターピラーの段差をなくすことに成功。これにより段差部で発生していた風切り音を減らして車内の静粛性を向上するとともに、フロントとリアのガラスを継ぎ目なく一体的に見せることでスタイリッシュな外観実現を可能とした。すでに同製品はLEXUS新型LSに搭載されており、同社ではプレミアムセダンなどに展開していく。

 住友理工は、自動車関連事業の電気自動車(EV)対応を加速する。急激に進むEVシフトに対応するため、高機能化や置き換えが予想される部品開発を強化すると同時に、独自のセンサー技術などを活用したシステム製品の提供に乗り出す。営業面では欧米系自動車メーカーへの拡販とともに、ホースシステムなどの技術支援をベースに新興メーカーの取り込みを本格化する。拡大が見込まれるシール部品ではグループ体制の見直しなども検討する考えで、変化する市場環境への対応を急ぐことで同事業の成長性を確保していく。

 日立金属は、次世代自動車の車載用ノイズフィルター向けにナノ結晶軟磁性材料「ファインメット」を使用した「コモンモードチョークコイル・コア」を開発した。「FT?3K10Q」シリーズは独自技術により、キロヘルツ?メガヘルツの幅広い周波数領域で従来材比10?30%の高インピーダンスを実現した。また、低温?高温でのインピーダンスの変動が小さく広い温度環境下で、車載電装品の安定化を図ることが可能。同社では、2018年1月からサンプルワークを開始する計画。

 日本精工は、自動車の電動化に対応した独自製品の開発・実用化を加速する。歯車を使わずに特殊なオイルを介して動力を伝える電気自動車(EV)駆動ユニットでは、動力伝達機構の見直しによりフリクションの低減化を実現。2モーターシステムを採用した独自のインホイールモーターでは、モーターの設置方式の改良により約40%の薄型化に成功。ホイールからのはみ出し幅を従来比3分の1とすることで車両搭載性を向上した。いずれも「第45回東京モーターショー2017」に出展する計画。

 日本精工は、密封性能と低フリクションを高次元で両立する接触シールを開発した。高度なFEM(有限要素法)による構造解析をベースにシール形状を最適化することで、軸受け内輪に対するシールの押し付け力(リップ反力)の最小化を実現。高密封接触シールと同等の防水性を確保しながら、低フリクションシールに対して85%の低フリクション化を可能とした。同社では幅広い用途分野で使用される深溝玉軸受けで採用する計画であり、2021年に軸受け売上高で年間25億円を目指す。

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