タイヤセンシング技術、IoTと組み合わせ、交通インフラへの展開も

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 IoT(モノのインターネット)技術を応用したタイヤ事業の高度化の取り組みが活発化している。タイヤをセンシングデバイスとし、ネットワークを通じて複数車両のデータを一元管理することで、メンテナンスなど効率的な車両運行を目指す。ブリヂストンや日本ミシュランタイヤがトラック・バス(TB)用タイヤ向け管理システムの実用化を推進する一方、米グッドイヤーはカーシェアリング向け半自動運転の電動車両への提供を開始した。すでにタイヤを利用したセンシング技術では路面状況の把握なども可能としており、ビッグデータの活用によって交通インフラ技術への展開が期待される。

 タイヤをセンシングデバイス化する技術は、安全性や燃費性能の確保を目的としたタイヤ空気圧を常時モニタリングするTPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)をベースとする。TPMSについてはタイヤ各社をはじめ自動車部品メーカーが商品化しており、米国などでは装着が義務化されているほか、ブリヂストンでは後付けのタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)とセット販売することで市販用ランフラットタイヤの販売を開始している。
 タイヤ各社が開発・実用化を進めているのが、TPMSとIoTの組み合わせにより、複数車両のタイヤ情報を一元管理するタイヤ管理システム。TB用タイヤ向けでは昨年7月にブリヂストンが、空気圧や温度を車両位置情報とともにネットワークを通じ遠隔でリアルタイムにモニタリングする独自のIT技術「Tirematics」の実証試験をブラジル・リオデジャネイロで公共交通機関との共同により実施した。日本ミシュランタイヤも、ソフトバンクと共同で従来の車載モニターによる管理からネット環境にある端末でのリアルタイム管理へとシステムの高度化に取り組んでいる。いずれもタイヤ故障による予期せぬ運行トラブルの未然防止や緊急時の迅速な対応、より効率的で効果的なタイヤメンテナンスの実現を可能とする。
 一方、グッドイヤーはシェアリングカー・サービスを提供する米Tesloop社が保有する電動車両に対してセンサーを内蔵したタイヤの提供を開始。同サービスは今後の普及拡大が予想されており、国内でも無人のカーステーションを展開するビジネスモデルに対応したタイヤ管理システムとして、乗用車タイヤへの応用展開が期待される。
 タイヤセンシング技術では、ブリヂストンがタイヤ内側に加速度センサーを装着するCAIS(コンタクト エリア インフォメーション センシング)コンセプトの実用化を推進中。これまでに荷重・横力判定技術(CAIS?)、路面状態判定技術(CAIS?)および摩耗状態判定技術(CAIS?)を開発しており、すでに路面状態判定技術については実用化している。また、住友ゴム工業は独自のアルゴリズムにより、路面状況や車両の荷重バランスを判別する車輪速信号を応用した間接式のタイヤセンシング技術「SENSING CORE(センシング コア)」を開発しており、同技術は追加のハードウエアやメンテナンスを必要としない汎用性が高く装着タイヤを選ばない。
 これらの技術とIoT技術やビッグデータの解析技術を組み合わせることで、現在のタイヤ管理から路面状況などを含む交通情報システムへの高度化も可能。すでにグッドイヤーは自動車メーカーと提携してタイヤ情報の自動車管理システムへの提供を行っており、技術開発の進展とともに各社の今後の展開が注目される。

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このページは、web staffが2017年9月25日 14:47に書いたブログ記事です。

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