日産自動車、独企業にエンジン加工技術ライセンス、低燃費化に貢献

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 日産自動車は、自動車エンジンの生産工程で用いる独自技術「ニッサン・マシニング・ラフニング・プロセス(NMRP)」のライセンスをドイツの工作機械メーカー大手であるヘラー・マシーネンファブリークに供与した。同技術は、ピストンが上下運動する筒状のスペース(シリンダーボア)を摩擦や熱から保護するために、溶けた低炭素鋼を吹き付ける(溶射)ことにより約0・2ミリメートルの鉄系溶射被膜を成形。既存の鋳鉄製ライナーを代替する軽量・低燃費化技術として注目されている。今後、NMRPを利用したヘラー製マシンの導入により、エネルギー効率の高いエンジンを量産することが可能となる。

 シリンダーボアは、摩擦や熱から保護するために内側に2・6ミリメートルほどの厚みを持つ鋳鉄製ライナーが挿入されている。鉄系溶射被膜はこの鋳鉄製ライナーを代替するもので、薄膜化によりエンジンのさらなる軽量化や燃費向上が可能。加工後にシリンダーボアの内面を鏡面仕上げとすることから「ミラーボアコーティング」とも呼ばれ、軽量化や冷却性能の向上によりエンジンのエネルギー効率を向上できる。
 しかし、鉄系溶射被膜は従来技術での品質安定化が難しく、量産には高度な溶射技術に加えて常に爆発・圧縮にさらされるシリンダーボアの内面でも溶射した被膜が密着を維持する技術が必要。NMRPはボーリング加工の一種で、工具と加工条件を最適化することで溶射被膜が強固に密着するようシリンダーボアの内面を粗面化する。NMRPと適切な溶射技術を組み合わせることで、鉄系溶射被膜を持つエンジンの安定的かつ安価な量産が可能となる。
 日産では「NISSAN GT?R」のVR38DETエンジンに初めて鉄系溶射被膜を採用して以降、高性能エンジンをはじめミニバンやコンパクトカーなどの新世代低燃費エンジンに採用を拡大している。
 ヘラーは、シリンダーボアコーティング用の工作機械を展開しており、ライセンス供与により鉄系溶射被膜に必要な一連の製造技術を各自動車メーカーに提供できるようになる。

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このページは、web staffが2017年9月19日 14:32に書いたブログ記事です。

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