エアレスタイヤの開発活発化、乗り心地、静粛性を追求

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 空気充填を不要とする自動車タイヤ(エアレスタイヤ)の開発が活発化している。パンク防止や空気圧管理などのメンテナンス負担の軽減化を目的に、国内タイヤ各社がコンセプトタイヤを相次いで発表。東洋ゴム工業は軽自動車に装着した場合に時速120キロメートルでも問題なく走行できる耐久性を実現した。海外ではすでにミシュランが建機・農機用タイヤ「X TWEEL」を商品化しているほか、国内でもブリヂストンが開発技術をベースに、自転車用タイヤで2019年の実用化を目指す。安全性や環境性能をはじめ乗り心地や静粛性など高次元のタイヤ性能が求められる自動車タイヤで実用化できるか、今後の動向が注目される。

 空気入りタイヤは1888年にジョン・ボイド・ダンロップが自転車用タイヤを開発したのが始まりで、自動車用タイヤは1895年にミシュラン兄弟がレースで初めて実用化した。それまでのソリッドタイヤに比べて乗り心地やグリップ性能、安定走行性に優れることから急速に普及。その後、タイヤ技術の革新を背景にチューブレスタイヤやラジアルタイヤなどが開発・実用化され、今日にいたる。
 空気入りタイヤの実用化によりタイヤ性能は飛躍的に向上することとなったが、その一方でパンク故障のリスクを負うこととなる。その対応策として、1970年代には空気圧がゼロでも時速80キロメートルで距離80キロメートルの走行を可能とするランフラットタイヤが登場。スペアタイヤを不要とすることで軽量化および低燃費化や省資源化、車内スペースの拡大に貢献している。現在では一般タイヤ並みの乗り心地を実現するとともに、新車装着用に加えて後付け可能なリプレース向け製品も販売されている。
 空気充填を不要とする自動車タイヤの開発は、基本構造を抜本的に見直すことで、パンク防止のほか安全性や燃費性能の維持を目的とした空気圧管理の負担軽減などを狙いとする。国内ではブリヂストンは「エアフリーコンセプト」、住友ゴム工業が「GYROBLADE(ジャイロブレイド)」、東洋ゴム工業も「noair(ノアイア)」の開発を進めており、いずれもタイヤ表面のトレッド部分はゴム製のまま独自のスポーク構造で荷重を支える構造を採用する。
 ブリヂストンでは、特殊形状スポークの材質に熱可塑性樹脂を採用することで、タイヤトレッド部のゴムを含めリサイクル可能な材料を使用することで資源の効率活用を推進する。13年に発表した第2世代では、初代に比べて耐荷重性能を4倍、走行性能を10倍に高めており、小型電気自動車(EV)などに狙いを定め商品化に取り組んでいる。また、住友ゴムのジャイロブレイドは、金属製ホイールと特殊樹脂スポークからなる車輪の外周にタイヤのトレッド部を接着させた形状をしているほか、東洋ゴムではタイヤ幅の奥側と手前側を交互に交差させる独自の支持構造形態「X字型スポーク構造」により耐久性を飛躍的に向上するとともにスポーク本数を倍増し、これまで以上の静粛性を実現した。
 次世代タイヤとして注目される空気充填不要の自動車タイヤは、構造から使用原材料が大幅に変更されることになるため、実用化が合成樹脂業界に影響することは確実だ。

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このページは、web staffが2017年9月13日 14:27に書いたブログ記事です。

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