2017年9月アーカイブ

 独タイヤメーカーのコンチネンタルタイヤは、新たに独自のタイヤ技術コンセプトを開発した。タイヤに内蔵したセンサーを利用してトレッドの深さと温度を測定し、タイヤの損傷をドライバーに警告する導電性ゴムによるデータ伝送技術「ContiSense(コンチセンス)」と、タイヤの空気圧とリム幅を調整し、路面条件に応じた接地面積を実現する「ContiAdapt(コンチアダプト)」の2つ。いずれも自動運転と電動化のニーズにタイヤを適用させるもので、いずれも2017年フランクフルトモーターショーで展示した。

 IoT(モノのインターネット)技術を応用したタイヤ事業の高度化の取り組みが活発化している。タイヤをセンシングデバイスとし、ネットワークを通じて複数車両のデータを一元管理することで、メンテナンスなど効率的な車両運行を目指す。ブリヂストンや日本ミシュランタイヤがトラック・バス(TB)用タイヤ向け管理システムの実用化を推進する一方、米グッドイヤーはカーシェアリング向け半自動運転の電動車両への提供を開始した。すでにタイヤを利用したセンシング技術では路面状況の把握なども可能としており、ビッグデータの活用によって交通インフラ技術への展開が期待される。

 JFEスチールは、1000メガパスカル級の高強度とニッケル(Ni)含有合金鋼粉と同等の高靱性を実現した粉末冶金向けのNiフリー合金鋼粉「FM1000S」を開発した。新たに粒子形状を不定形化し、粒子表層にモリブデン(Mo)を濃化することで焼結部品の組織中にある空孔を微細化することに成功。これによりNiを添加することなく、4%Ni合金鋼粉と同等以上の高強度と高靱性を実現した。採用により大幅なコストダウンが可能になることから、同社ではスプロケットなど自動車のエンジン・トランスミッション部品への適用を目指す。

 NOKは、独自配合の水素化ニトリルゴム(HNBR)の普及拡大を推進する。同社の素材は他社製HNBRに比べて引っ張り強度と伸びに優れており、新たに高圧の油圧用途向けに同素材を採用した高強度Oリングの提案を開始した。このOリングは、高圧下での長期間安定したシール特性を実現しており、単体で使用できるのが特徴。採用により装着のための溝幅を狭くできるほか、バックアップリング削減による組み込み作業の効率化や、部品数削減による低コスト化が可能。同社では高度化する市場ニーズを背景に、性能を訴求していく。

 山陽特殊鋼のニッケル・モリブデンフリーの高強度肌焼鋼「ECOMAX(エコマックス)4」が主に自動車の駆動系部品向けに採用が進んでいる。高清浄度鋼製造技術をベースに希少資源を使用せずに高強度化を実現するとともに、浸炭用鋼の課題である熱処理変形の軽減に寄与する点が評価されている。部品の小型・軽量化や寸法形状の高精度化、製造工程の省略・簡略化によるコスト低減に貢献することから、より一層の普及拡大が期待される。

 日産自動車は、自動車エンジンの生産工程で用いる独自技術「ニッサン・マシニング・ラフニング・プロセス(NMRP)」のライセンスをドイツの工作機械メーカー大手であるヘラー・マシーネンファブリークに供与した。同技術は、ピストンが上下運動する筒状のスペース(シリンダーボア)を摩擦や熱から保護するために、溶けた低炭素鋼を吹き付ける(溶射)ことにより約0・2ミリメートルの鉄系溶射被膜を成形。既存の鋳鉄製ライナーを代替する軽量・低燃費化技術として注目されている。今後、NMRPを利用したヘラー製マシンの導入により、エネルギー効率の高いエンジンを量産することが可能となる。

 空気充填を不要とする自動車タイヤ(エアレスタイヤ)の開発が活発化している。パンク防止や空気圧管理などのメンテナンス負担の軽減化を目的に、国内タイヤ各社がコンセプトタイヤを相次いで発表。東洋ゴム工業は軽自動車に装着した場合に時速120キロメートルでも問題なく走行できる耐久性を実現した。海外ではすでにミシュランが建機・農機用タイヤ「X TWEEL」を商品化しているほか、国内でもブリヂストンが開発技術をベースに、自転車用タイヤで2019年の実用化を目指す。安全性や環境性能をはじめ乗り心地や静粛性など高次元のタイヤ性能が求められる自動車タイヤで実用化できるか、今後の動向が注目される。

 東洋ゴム工業が、空気充填不要の近未来型エアレスコンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」を発表した。独自の「X字型スポーク構造」の開発により軽自動車に装着した場合に時速120キロメートルでも問題なく走行できる耐久力を実現。同社が市販する空気入りタイヤと比較して転がり抵抗値で25%、WET制動距離で4%の性能向上を可能とする。8日に開催された説明会では、守屋学技術第一本部長が「将来的に、日本ではメンテナンスフリーのタイヤは必ず必要になると考えている」と新コンセプトタイヤの開発意義を語った。

 米グッドイヤーは、タイヤ原材料として新たに大豆油の商業的利用に乗り出す。添加することで気温が変動するなかでもゴムコンパウンドの柔軟性を維持・強化し、タイヤにとって重要な路面グリップ性能を向上することに成功。また、大豆油を使用した場合にコンパウンド中のシリカ化合物との混合がより容易になることを明らかにした。同社では、大豆油の採用によりドライ/ウエット路面や冬季天候におけるタイヤ性能の強化を推進する。

 真壁技研(宮城県仙台市)は、アルミ合金鋳物の機械的性質を向上させる組織微細化剤を開発した。ガスアトマイズ法で製造した球状微細化剤(AlTi粒子)を放電プラズマ焼結でペレット化したもので、AC4A合金に対する評価試験で同微細化剤の添加により引っ張り強度、伸びともに約2倍の特性向上を確認ずみ。同時に量産に向けたパイロットプラントを開発しており、自動車などアルミ系部品の鋳造・ダイカストメーカーなどを対象にサンプル供給を開始し、量産プロセスにおける新組織微細化剤の有効性の確認などを進める計画。

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