神戸製鋼、ハイテンとアルミの異種金属溶接を本格展開

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 神戸製鋼所は、独自開発した異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法」の本格提案に乗り出した。既存のアーク溶接装置による超高張力鋼板(ハイテン)とアルミの接合を可能とする溶接法。他の接合技術に対して優れた接合強度を有するほか、片側アクセスにより閉断面部材に適用できるといった利便性を実現している。車体軽量化ニーズの高まりを背景に自動車のアルミ化が世界的に進展しており、同社では優位性を訴求することで本格採用の早期実現を目指す。

 神戸製鋼所は、現在推進中の中期経営計画で自動車、航空機、エネルギーの重点3分野を軸に技術開発を推進中。自動車分野では拡大する軽量化ニーズを背景に、鉄鋼事業における超ハイテン材やアルミ銅事業におけるアルミ素材の競争力強化に取り組む一方、溶接材を含む素材系部門の技術・製品を主としたグループ総合力をベースにマルチマテリアル化の進展に対応した独自技術の開発・実用化を加速している。
 エレメントアークスポット溶接法は、アルミ部材に設けた予備穴に鋼製エレメントを装着し、アーク溶接により鋼製エレメントをハイテンに接合することでアルミとハイテンを一体化する技術。鋼板、アルミ、溶接材料の各事業で培った技術・知見をベースに開発した。鋼製エレメントに防食用シーリング剤を塗布するとともに、アルミとハイテンの接合面に接着剤を併用することで電食を防止する仕様。
 釘やねじ型機械接合法のように裏面に鋭利な突き抜けがないほか、接合強度(Cross Tensile Strength、接着剤なし)も10キロニュートン超とそれら接合法を上回る。また、高張力亜鉛メッキ鋼板での亜鉛脆化割れが起きないほか、特殊溶接材料との組み合わせにより超ハイテン特有の遅れ(水素)割れ問題の低減を可能とする。同社では、アルミニウム合金と1470メガパスカル級ホットスタンプ鋼板の接合でその有効性を確認ずみ。
 同溶接法の優位性は既存のアーク溶接装置が適用可能なこと。採用に際して過大な投資や大幅な工程変更を必要としないことから、修理工場などでも導入できる。同社では部材原料となるハイテンおよびアルミや溶接材料の供給はもとより、製造ラインへの導入のために必要な装置や制御技術、補助材といった実用化技術開発までを含む独自のソリューションとして展開していく計画。

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このページは、web staffが2017年6月20日 13:45に書いたブログ記事です。

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