2017年4月アーカイブ

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、革新的新構造材料研究開発プロジェクトで新たに「中性子ビームによる材料評価」と「マルチマテリアル接着技術」の2テーマを採択した。非破壊での内部組織の観察技術を確立することで材料開発のスピードアップを目指す一方、接着技術の高度化によりマルチマテリアル構造の実現を図る。いずれも研究期間は2022年度までの6年。開発テーマの拡充により、輸送機器の軽量化に関する産業競争力の向上に取り組んでいく。

 日新製鋼が、射出成形や熱圧着で樹脂との直接接合を可能とする特殊鋼板「プラタイト」の本格展開に乗り出した。自動車業界などで進むマルチマテリアル化の流れを背景に、金属と樹脂との複合化ニーズの取り込みを狙う。先行する湿式技術に対し、採用する際のユーザーの負荷が軽いという優位性を確立しており、ベースとする独自技術は適用素材の拡大といった面でさらなる発展性を秘める。同社では顧客ニーズを見極めながら開発を進めていく計画で、「独自技術でユーザーの嬉しさを増大させていきたい」(同社)考え。

 JFEスチールは、独自開発した自動車部品用高強度鋼板(ハイテン)を「JEFORMA(ジェフォーマ)」(JFE Excellent FORMAbility)としてシリーズ化した。冷延鋼板および合金化溶融亜鉛メッキ(GA)鋼板における強度グレードや加工性の開発を完了したもので、自動車用ハイテンのシリーズ化は業界初。新たに加工性をベースに3タイプ・590?1180メガパスカル級までを揃えることで、同用途における他社との差異化を推進する。同社では利用技術の開発にも注力しており、「材料技術」「車体設計技術」「成形/組立技術」をトータル提案することで最先端の車体開発に貢献していく。

 新日鉄住金は、自動車分野におけるチタン展伸材の普及拡大を推進する。新たにホンダの大型スポーツバイク最新モデル「CBR1000RR SP」の燃料タンクとエキゾーストシステムに同社材料が採用された。燃料タンクは昨年のオフロードバイクに続き、公道用量産車では世界初。新モデルではチタン薄板への材料置換により、樹脂製タンクに比べ40%強の重量軽減を実現した。鉄系部材の既存ラインで加工可能なことから、四輪車を含む自動車分野に対しチタン材料の優位性を訴求していく。

 JFEスチールは、5%アルミ-亜鉛系高耐食溶融メッキ鋼板「エコガルNeo」を開発し、量産を開始した。自動車用鋼板製造で培った技術の応用により、展開中の同高耐食溶融メッキ鋼板「エコガル」の表面外観性の向上を実現した。後処理は無処理とクロメートフリー処理の2タイプを用意し、490メガパスカル級高張力鋼板(ハイテン)材までの製造を可能とする。同社は商品ラインアップの拡充により同高耐食溶融メッキ鋼板の規模拡大を推進する。

 愛知製鋼は、日本発条(ニッパツ)と共同で自動車の軽量化・燃費改善に貢献する高強度板ばね用鋼を開発した。新鋼種は、高硬さ領域で優れた靭性を発揮する独自の成分設計とチタン炭窒化物の析出制御による組織の微細化により、世界最高レベルの強度と現用鋼以上の優れた靭性の両立を実現した。採用により重ね板ばねの枚数削減などの軽量化が可能となる。今後、愛知製鋼では車体軽量化ニーズの高まりを背景に独自素材として世界展開する計画。

 中大型商用車が荷物を満載状態で長い下り坂を走行する際などに、エンジンブレーキやフットブレーキとともに使用する補助ブレーキ装置(リターダ)。フットブレーキの多用による制動力低下を回避する安全装置であり、新日鉄住金では1990年に世界初の技術として小型軽量で搭載性、メンテナンス性に優れる永久磁石式リターダを実機化した実績を持つ。初期型の実機化以降、継続した性能向上に取り組んでおり、最新型では初期型との性能比較で質量あたりの制動力を2・1倍向上させるとともに、応答時間の53%短縮を実現している。

 新日鉄住金がチタン展伸材の用途開拓を加速している。重量単価から高価なイメージが先行するチタンだが、「低比重なので部品コストはそれほどでもなく、(用途によっては)LCC(ライフサイクルコスト)でメリットを十分に享受できる」(同社)ことから素材に対する理解浸透を推進。BtoC市場向けに独自ブランド「トランティクシー」を立ち上げたほか、材料特性を生かした取り組みでは量産二輪車で世界初採用となったホンダCRF450Rの燃料タンクで、樹脂製を上回る軽量化を実現した。「材料として検討すらされていない用途の方が多い」(同)なか、同社ではチタンの可能性を広く訴求することで事業規模の拡大を目指す。

 スーパーコンピューターを活用した金属材料の開発プロセスに関する研究が進展している。新たに東京大学大学院などの研究グループが金属組織の生成メカニズムの解明に成功する一方、東北大学金属材料研究所などの研究グループは「強さ(強度)」の仕組みを電子状態(ナノ)、原子配列(ミクロ)、微細組織(メソ)というマルチスケールで解析する手法を確立した。これら成果は材料開発の効率化や高精度化などに役立つもので、応用により、より高機能な金属材料の開発・実用化が期待される。

 東洋鋼鈑は、独自技術をベースに金属材料の高機能化を推進する。スチール基材に電磁波シールド性を付与した新複合材とアルミニウムの温間成形性を向上する表面処理技術を開発し、提案を開始した。電磁波シールド複合材は銅箔を上回るシールド性能を有するほか、耐食性や絶縁性、放熱性といった機能を付与できる。板厚0・1ミリメートル以下の製品供給も対応可能であり、同社では基材の物性や遮蔽特性などを広く訴求することで用途開拓を進めていく方針。

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