マグネシウム協会、自動車部品への適用拡大推進、フェーズ2へ移行

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 日本マグネシウム協会は、自動車部品へのマグネシウムの適用拡大を推進する。自動車マグネシウム適用拡大委員会におけるフェーズ1の取り組みを9月に完了、新たに溶解難燃合金の組成確立やモデル部品の試作、リサイクルなど周辺技術の検討・開発を柱とするフェーズ2に移行する。ダイカスト部品を対象とした今回の取り組みでは2018年度に実部品への成果反映を計画しており、実現すれば将来的にマグネダイカストの国内市場規模を5倍に拡大するインパクトがある。

 世界的な燃費基準の規制強化を背景に、新車開発における軽量素材の使用比率は増加傾向にある。実用金属中、最も軽量なマグネシウムは欧米で高級車や大型車で主に採用されているほか、独や米、韓国などでは自動車部材への適用に向けた研究開発が活発化している。同協会では、拡大の兆しをみせる樹脂化の動きに対抗するため、アルミニウムに続く金属系軽量素材としての市場地位の確立を目的に、昨年12月から専門委員会によるマテリアルフローの整備を開始している。
 マグネダイカストは、形状自由度が高くハイサイクルで製造可能であり、鍛造品やプレス成形品に比べてアルミダイカストとのコスト差が小さいのが特徴。各社個別に実用化している難燃合金の統合化や製造プロセスの改良、リサイクルシステムの構築などにより、コスト低減や低LCA化、製造工程における安全性向上を図ることで採用しやすい環境を整備する計画。オールジャパン体制による開かれた取り組みを志向しており、自動車メーカーを含む17社・5研究機関が参画している。
 フェーズ1では、合金統合化の取り組みとして難燃高耐熱合金(アルミ合金ADC12と同等)と難燃高靱性合金(同ヒドロ系合金と同等)を設定。既存合金の成分や特性の評価・調査を実施し、各合金の材料および製造面の特徴や課題、添加元素の難燃効果などを確認した。また、溶湯中の燃焼現象の把握などを実施したほか、LCA評価では低環境負荷の防燃技術の採用によりアルミに対して有利になることを確認した。
 同委員会では、採用実績があり統合合金での展開を見込む部品への採用により1台当たりの使用量は13キログラムまで増加すると試算し、国内生産台数の半数で採用されれば年間約3万トンの需要を新たに創出することになる。
 来年1月にスタート予定のフェーズ2では、材料成分の検討/規格化、溶解・鋳造システムの開発、リサイクルシステムの開発、地金動向調査?の4プロジェクトを推進する。材料成分では既存合金に難燃元素を追加添加する方向で検討を進めるほか、防燃ガス併用を主に溶解技術の最適化を図っていく方針で、17年度中に合金の特性評価および新溶解技術によるモデル部品の試作を完了させる計画。
 世界のマグネシウム精練は、これまでのピジョン法による中国一極集中から、低環境負荷の改良ピジョン法や電解法による多国化への動きが出始めている。同協会は、国内のマテリアルフローを整備することでマグネシウムの普及促進を目指す。

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このページは、web staffが2016年10月14日 13:07に書いたブログ記事です。

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