自動車部品工業会・志藤昭彦会長に聞く、海外展開を成長の源に

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 国内市場の縮小を背景にグローバル化が進む自動車産業。プラグインハイブリッド(PHV)や燃料電池車(FCV)といった次世代環境車の開発・実用化も進展するなど自動車部品業界を取り巻く環境は大きく変わろうとしている。今年5月に就任した志藤明彦会長(ヨロズ代表取締役会長)に、自動車部品業界の状況や日本自動車部品工業会の取り組みを聞いた。

 ? 自動車部品業界の現状を教えてください。
 2015年4月の軽自動車の増税以降、国内の自動車販売は落ち込んでおり、中長期的にも人口の減少により内需は徐々に縮小していく。しかし、世界規模でみれば自動車産業は間違いなく世界経済を牽引する成長産業であり、会員企業は成長・発展が見込める海外市場への展開がさらに求められるだろう。為替環境が年初より円高基調に転じ不透明な状況だが、こういう時に大事なのは技術開発を手を緩めることなく進めること。それが競争力の源泉となる。
 ? 各市場の動向はいかがですか。
 北米は昨年の自動車販売が過去最高水準を記録しており、引き続き成長が見込める重要な地域だ。部品メーカーも北米での現地生産やメキシコ展開を積極化しており、各社とも現地調達化による収益強化に取り組んでいる。今後、開発を含めて現地のマネジメントがさらに強化されると考える。東南アジア諸国連合(ASEAN)は足元の状況はよくないが、インフラなどが揃っているタイ、インドネシアを中心にベトナム、フィリピンのモータリゼーションが進展することでさらなる成長が見込める。中国も昨年は前年比105%と一昨年に比べて伸び率が落ちたものの人口が多く間違いなく成長していく。欧州はギリシャ危機の12年を底に順調に回復してきている。欧州は次世代技術をリードする市場であり、日本の部品メーカーにとってはハードルが高い市場。実力ある欧州サプライヤーが相当数あり最高の競争力を求められるが、それに応えられる企業は確実に受注できる。
 ? 次世代環境車や自動運転など技術面でも大きな変化がきています。
 部品メーカーは材料や形状・設計、加工法の見直しにより軽量化や製造工程の環境対応を進めている。これまでの単品部品だけでの取り組みではなく、今後は周辺の部品メーカーや素材メーカーと一緒になってつくり込む必要がある。また、自動走行システムやITS(高度道路交通システム)は基本的に自動車メーカーが中心となり総合的に取り組んでいくもの。各部品メーカーは専門分野を生かして対応しながら一緒に進めるものと考えている。欧米ではメガサプライヤーが独自で進めている分野がかなりあり、専門領域で各社それぞれに取り組んでいたのでは限界がある。
 ? そのような状況下、工業会としての取り組みは。
 国内での成長が見込めないなか、海外展開に資する情報発信を積極的に行っているほか、BCP(事業継続計画)についてもマニュアル作成やセミナーの開催といった取り組みを進めている。また、会員の半数を占める中小企業を参加対象に、自動車メーカーに技術・製品を紹介する技術展示商談会も開催してきた。模造品対策は安全の問題として取り組んでおり、海外でも展示会などで啓蒙活動を展開している。
 ? 改めて新会長としての抱負を。
 日本の自動車産業が世界市場で競争力を発揮していくことが重要だ。内需が減少するなかで日本のものづくり力をいかに強くするか。極めて競争力の高い製品を国内で開発して海外で生産する。それで日本の競争力を維持していくことが非常に大事だと思う。工業会としては今後も、中小の会員企業が単独では難しい海外展開やBCPなどをサポートしていく。日本の自動車産業の競争力向上が世界の自動車産業への貢献につながっていく。

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このページは、web staffが2016年8月 9日 17:23に書いたブログ記事です。

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