NEDO革新構造材料開発プロ(6)接合技術、異種材料を確実に

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 次世代輸送機器の開発において材料の特性向上と並び必要とされるのが接合技術。材料特性やコスト、生産方法に応じて各材料を組み合わせて使用するマルチマテリアル化が進展しており、アルミと鉄や金属と樹脂といった異種材料を確実かつ効率的な接合を可能とする技術の開発が求められている。

 「革新的新構造材料等開発」プロジェクトでは、接合技術に関して中高炭素鋼やチタン材といった難接合材の接合、金属/CFRPといった異種接合に適用できる固相摩擦撹拌接合技術や溶融接合技術などの開発に取り組んでいる。
 2015年末までの第1期ではハイテン材同士、ハイテン材/CFRP、アルミ/CFRP、アルミ/ハイテン材、チタン/チタンの組み合わせにおける溶融接合および摩擦接合のプロセス開発のほか、鉄/非鉄材料(アルミ、チタン、CFRP)異材の水和物架橋低温接合技術の開発を推進。その結果、回転工具の摩擦発熱で生じた材料軟化とその流動を利用したフリクションスポット接合法(FSJ)で、ツール形状の最適化により1・2ギガパスカル級中炭素鋼(厚さ1・4ミリメートル)においてJIS?A級強度で100%の継手強度を達成するなどの成果を得ている。
 第2期については、目標を前倒しで達成したチタン/チタン接合技術で装置の制御システム・特殊機構開発や製品への実用化開発に前倒しで着手するなど、テーマごとに進捗に応じた計画や目標の修正を実施し、実用化に向けた取り組みを継続する。
 異種材接合技術は、企業化(FS)研究として15年度から構造材料用接着技術の開発にも着手。同取り組みでは、被着体としてCFRP・CFRTP・PA・PPとアルミ・チタン・マグネシウム・鋼材との組み合わせを対象に、接着メカニズムや強度・耐久性の評価・予測手法、接着工法・プロセスや非破壊検査方法、表面処理技術の確立を目指す。
 適用開発としてエポキシ系やウレタン系、アクリル系の接着剤の評価・改良・データ蓄積や低硬化収縮性熱硬化性樹脂(ベンゾオキサジン)に関する評価なども進める計画であり、将来的な接着剤に関する公的研究機関の設置を視野に入れる。
 また、FS研究としては材料開発における中性子線の利用技術の開発もスタートさせている。金属材料の開発では高温環境の実製造プロセスにおける組織制御が向上が不可欠で、中高温域における材料組織挙動を解明する新たな手段として中性子線の利用を目指す。
 中炭素鋼の中高温領域における組織変化のその場観察装置の開発などをベースに、局所およびマクロ組織の高温特性に関して材料工学的な定量計測データを取得できる体制を構築する考えだ。
 「革新的新構造材料等開発」プロジェクトは、各分野で高度な技術開発力を有する国内有力メーカーが参画する。輸送機器分野における国際競争力の維持・向上に向けて、オールジャパンで取り組む同プロジェクトの成果に期待がかかる。

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このページは、web staffが2016年7月 4日 17:08に書いたブログ記事です。

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