NEDO革新構造材料開発プロ(1)?マルチマテリアルをめざして

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 自動車をはじめ航空機や鉄道車両などの世界的な需要拡大を背景に、省エネや環境負荷低減を目的としたより効率的な輸送機器の研究開発が活発化している。エンジンやモーターといった動力機構の効率化とともに、軽量素材や異種材料接合などマルチマテリアル化を可能とする要素技術の開発競争が世界規模で繰り広げられている。国内では経済産業省の未来開拓プロジェクトとして「革新的新構造材料等研究開発」プロジェクトがスタートしており、産業の国際競争力に直結するその取り組みを紹介する。

 同プロジェクトは、自動車を中心とした輸送機器の抜本的な軽量化に向けて、接合技術の開発や輸送機器の主要な構造材料の高強度化などにかかわる技術開発を一体的に推進することを目的とする。構造材料は鋼材、アルミニウム、チタン、マグネシウム、炭素繊維および熱可塑性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を開発対象としており、プロジェクト期間は2022年度までの10年間(費用推定429億円)。14年度からNEDOプロとして進められており、委託先となる新構造材料技術研究組合(ISMA)には37企業、1国研、1大学(今年3月時点)が参加する。
 計画では、17年度までを基礎技術の開発期間と位置付けて素材や加工技術の開発実用化に取り組む一方で、後半の5年間は研究成果をベースに設計技術の開発や新たなCAE技術の構築を進めることでマルチマテリアル化の実現を目指す。また、同プロジェクトは参加企業が自社の技術・ノウハウをベースに研究開発を進める企業主体の運営方針が特徴。適切に設定した競争領域をプロジェクトの推進力としており、15年度までの第1期開発期間の取り組みでは相次いで設定目標を上回る成果を上げている。
 同プロジェクトでは、今年度からの第2期開発期間のスタートに際して研究開発体制の見直しを実施。これまで委託先の一つだった東京大学(革新炭素繊維基盤技術開発)を新たにISMAの中に取り込むことで、熱可塑性CFRPの研究開発との連携を強化した。また、新規FS(企業化調査)研究テーマとして昨年度から取り組みを開始した中性子利用技術と接着技術の研究開発も継続する計画。電子線や中性子線などを活用して材料開発で重要となる高温特性に関するマクロ・ミクロ組織の定量化技術の研究を進めるとともに、エポキシやウレタン、アクリルなどの接着剤に関する接着メカニズムの解析や評価・予測技術の確立に取り組んでいく。
 構造材料およびそれを使用した部品・部材の高性能化や低コスト化は、次世代の輸送機器開発において必須。同分野における優位性の確保はユーザー産業の競争力強化にもつながることから、同プロジェクトにおける今後の取り組みが期待される。

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このページは、web staffが2016年6月27日 16:59に書いたブログ記事です。

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